化粧品・毒劇物・アルコールの許認可一覧|売り方と扱う物でわかる必要な手続き
※本記事は執筆当時の情報に基づきます。法改正等により現在の内容と異なる場合がありますので、実際の運用にあたっては必ず最新の法令をご確認ください。
化粧品・化学品ビジネスを始める・続けるうえで、最初の壁になるのが「どの許認可が、いつまでに必要か」という全体像の把握です。薬機法による化粧品許可、毒物劇物取締法(毒劇法)による登録、アルコール事業法の許可と、対象法令はひとつではありません。さらに広告表現には薬機法・景表法の規制が重なります。
このページでは、売り方と扱う物から必要な手続きが分かる早見表と、法令ごとの詳しい解説記事をまとめています。
目次閉じる開く
売り方と扱う物でわかる許認可の早見表
よくある場面ごとに、関わる手続きを並べました。同じ製品でも、売り方(自社製造・OEM委託・輸入)で必要な許可が変わります。詳しい条件は、下の法令ごとの記事で確かめてください。
| こんなとき | 関わる手続き |
|---|---|
| OEMで自社ブランドの化粧品を作って売る | OEMメーカーの許可の種類しだいで、化粧品製造販売業許可と品目届出 |
| 海外の化粧品を輸入して売る | 化粧品製造販売業許可・外国届・品目届出(日本語ラベルを自社で貼るなら製造業許可も) |
| 自社の工場で化粧品を作る | 化粧品製造業許可 |
| 「薬用」をうたう製品を出す | 医薬部外品の承認と許可 |
| カラコン・脱毛器などを売る | 医療機器の販売業の許可・届出 |
| 化粧品・健康食品の広告やパッケージを作る | 許可は要らないが、薬機法・景表法の表現の規制がある |
| 毒物・劇物を売る・作る・輸入する | 毒物劇物の販売業・製造業・輸入業の登録 |
| めっき・金属熱処理などで毒物・劇物を使う | 業務上取扱者の届出 |
| 農薬・肥料を売る・作る | 農薬販売の届出、肥料の登録と販売の届出 |
| 工業用のアルコール(90度以上)を使う・売る | 一般アルコールならアルコール事業法の許可(特定アルコールを買って使う・売るなら不要) |
- 区分と許可の判定:製品の成分・訴求・売り方から、化粧品・医薬部外品・雑貨のどれに当たるか、どの許可・届出が要るかを判定します
- 許可の取得と体制づくり:製造販売業・製造業の許可申請、薬事三役の要件の確認、GQP・GVP手順書の作成。毒物劇物の登録、肥料の登録、アルコール事業法の許可も扱います
- 販売前と許可後の手続き:品目届出・外国届・輸出届、パッケージ表示と広告表現の確認、更新・変更届と立入調査への準備
どの許可が必要? かんたん診断
化粧品ビジネスの許認可(薬機法)
薬機法(医薬品医療機器等法)は、化粧品の製造・販売に「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」の2種類の許可を定めています。事業モデル(自社製造・OEM委託・輸入)によって必要な許可の組み合わせが変わるため、まず全体像を把握することが重要です。許可申請を検討する前に、製品が「化粧品」「雑貨」「医薬部外品」のどれに当たるかも確認が必要です。製造販売業の許可を取るには、総括製造販売責任者などの薬事三役の設置と、GQP手順書をはじめとする品質管理・安全管理の体制づくりが必要です。許可の取得後も、品目届出(製造販売届出)、5年ごとの更新と、更新の時期の立入調査(大阪府の場合)が続きます。
化粧品か雑貨か|薬機法の判断基準と効能表現で変わる許可の要否区分を決めるのは中身ではなく標榜する効能。製品別の判断例
家庭用品規制法とは|対象製品と有害物質の基準、事業者が確かめること雑貨・繊維製品・洗浄剤の有害物質の基準。許可がない代わりに事業者が確かめる
化粧品の販売に許可は必要?|仕入れ販売・ネット販売・輸入・OEMで分かれる許可の要否仕入れ販売・ネット販売・輸入・OEM・詰め替えで分かれる、販売の許可の要否
化粧品製造業許可と製造販売業許可|違い・責任者要件・申請手順2つの許可の違い、責任者の要件、申請から実地調査まで
化粧品OEMで自社ブランドを販売するには|必要な許可と販売前に確認することOEMで自社ブランドを売るときに必要な許可(早見表)と、販売前に確認すること
薬事三役の要件と兼任ルール|化粧品・医薬部外品の責任者設置総括製造販売責任者・品質保証責任者・安全管理責任者の要件と兼任
化粧品の責任者は外国人でも務められるか|薬機法の根拠と在留資格の確認外国人を責任者に据えるときの在留資格の確認
化粧品GQP・GVP手順書の作成方法|許可取得前に整備すべき品質管理体制許可要件のGQP手順書と、整備が推奨されるGVP手順書
化粧品製造販売届(品目届出)の手順|OEM・輸入それぞれの届出実務OEM・自社・海外OEMのケース別の品目届出
化粧品製造業の区分の違い|一般区分・包装等区分・保管のみの登録の判断基準一般区分・包装等区分と、保管のみの製造所の登録
ハンドメイド化粧品の販売に必要な許可|薬機法と申請の全体像ハンドメイドの石鹸・クリームの販売にも要る許可
輸入化粧品の販売に必要な許可・ラベル表示・成分チェック|薬機法の実務手順輸入販売の許可取得・成分チェック・ラベル表示
CBD化粧品のTHC残留限度値|製品区分の判断と輸入時の確認手続きCBD配合品のTHCの上限は製品の形で変わる。区分の判断と輸入前の確認
輸出用化粧品の届出|輸出届の対象と様式第114の届出事項輸出のために製造・輸入するときの輸出届
化粧品の輸出証明書|自由販売証明書に対応する様式と申請先・手数料相手国から求められる輸出証明書の申請先・手数料
化粧品許可の更新・変更届|手続き漏れが招く許可失効リスク5年の有効期間と更新、変更届が必要なケース
化粧品製造販売業の更新時立入調査|確認項目と準備資料の実務更新時の立入調査の確認事項・準備資料・受け答え
広告規制(薬機法・景表法)
許認可を取得した後も、広告表現の誤りが行政指導・措置命令・課徴金につながるリスクがあります。化粧品として標榜できる効能は56項目に限られ、健康食品では表現次第で医薬品と判断されることもあります。
薬機法・景表法のチェック代行|広告・表示の確認を依頼できる範囲・料金・流れ広告チェック代行で依頼できる範囲・料金・流れ、化粧品の効能56項目、薬機法と景表法の違い
薬機法のNG表現と言い換え一覧|化粧品広告で使える代替表現領域別のNG表現と言い換えの対照表
化粧品 全成分表示の書き方|記載順ルール・成分名の選び方とOEM委託時の対応全成分表示の6つのルールと、OEM・輸入品での実務
化粧品の特記表示|「○○配合」に配合目的が必要な理由と2025年の新通知「○○配合」の特記表示と配合目的、2025年の新通知で変わった点
健康食品・サプリメントと薬機法|食薬区分の判断基準と違反リスク成分本質・効能効果・用法用量の3軸による食薬区分
医薬部外品・医療機器の許可
薬機法は化粧品より効能訴求の強い「薬用化粧品(医薬部外品)」と、カラコン・脱毛器などの「医療機器」にもそれぞれ別の許可区分を設けています。化粧品許可だけでは対応できない領域です。
医薬部外品製造販売業許可とは|化粧品との違いと承認手続きのポイント「薬用」と訴求したいときの承認・許可と化粧品との違い
カラコン・脱毛器・マッサージ器の販売許可|EC・サロン事業者の届出ガイドカラコン・脱毛器・マッサージ器を扱うときの販売業の届出
毒物劇物の許認可(毒劇法)
毒物及び劇物取締法(毒劇法)は、化学品の製造・輸入・販売に業登録を義務付けています。販売業・製造業・輸入業の登録と毒物劇物取扱責任者の設置が基本で、電気めっき・金属熱処理など特定の業種には業務上取扱者の届出もあります。自社の事業実態と登録区分が一致しているか、また政令改正による新規指定を見落としていないかの確認が重要です。
毒物劇物販売業・製造業の登録申請|区分の選び方と必要書類登録区分の選び方、取扱責任者の資格・常勤性・兼任
毒物劇物販売業許可の取り方|申請書類と注意点を行政書士が解説販売業登録の書類と、オーダー販売で免除される条件
毒物劇物製造業・輸入業の登録申請|販売業との違いと許可手続きを解説自社で合成・製造、海外から輸入するときの登録
毒物劇物業務上取扱者届出|対象業種・届出要件と手続き手順電気めっき・金属熱処理など業務上取扱者の届出
麻薬向精神薬原料の届出|業務届・輸入届が必要な物質と濃度・数量トルエン・アセトンなどの麻薬向精神薬原料を扱うときの業務届と輸入届
覚醒剤原料の指定と輸入許可|取扱者・輸入業者の申請と帳簿・保管フェニル酢酸・エフェドリンなどの覚醒剤原料の指定と輸入の許可
高圧ガスと消防法の届出|アセチレン・LPガス・硫酸など消防署に届け出る物質と量硫酸・アンモニアなどを一定量以上置くときの消防署への届出
農薬・肥料の販売と登録(農薬取締法・肥料品質確保法)
農薬の継続的な販売を行う事業者には、農薬取締法に基づく都道府県知事への届出が義務付けられています。毒物・劇物に該当する農薬を取り扱う場合は、農薬取締法の届出と毒劇法の登録の双方が必要になるため、手続き漏れに注意が必要です。
農業用肥料を製造・輸入・販売する事業者には、肥料の品質の確保等に関する法律(肥料品質確保法)に基づく登録または届出が必要です。普通肥料の製造・輸入には農林水産大臣または都道府県知事への登録が、肥料の販売業者はすべて販売所ごとに都道府県知事への届出が必要です。有機質肥料・堆肥・バイオスティミュラント等の農業資材を扱う化学品メーカーも、対象になるかを確認しておく必要があります。
農薬販売届の手続き|資格の要否・届出期限・必要書類と罰則農薬販売の届出期限と、違反ごとの罰則
肥料登録とは|普通肥料の登録・特殊肥料の届出・肥料販売届の違い普通肥料の登録と、販売業者の届出
肥料登録の電子申請(e肥料)|手順・手数料・登録日の決まり方e肥料による電子申請と、締切日から登録日が決まる仕組み
肥料の委託生産(OEM)と届出|設備の賃借との違いと登録を受ける者他社の工場で生産する委託生産・OEMの登録と届出
アルコール事業法(工業用エタノールの許可)
工業用エタノール(アルコール)を取り扱う事業者には、アルコール事業法に基づく許可が求められる場合があります。化粧品原料・洗浄剤・化学合成用途での使用を想定している事業者は、「特定アルコール」と「一般アルコール」の区分と許可要件を事前に確認してください。一般アルコールを選ぶ場合は、許可後も帳簿の記帳と毎年5月末日までの業務報告が続く点も判断材料になります。
当事務所の強み
化粧品・化学品の許認可は、当事務所が区分の判定から申請・許可後の手続きまでお引き受けします。ご依頼の際に強みになる点は次のとおりです。
- 成分から区分と該当を判定:元化学メーカー研究員として化粧品原料の研究開発に携わった経験から、成分・SDS・GHS分類を読み、化粧品か医薬部外品か、毒物・劇物に当たるかを判定します
- 法令をまたいで一度に整理:薬機法・毒劇法・アルコール事業法・肥料品質確保法など、化学品に関わる法令を横断して扱います
- 許可後まで続けて対応:手順書の整備、品目届出、更新と立入調査の準備まで、許可を取った後の手続きも続けてお任せいただけます
- 補助金との組み合わせ:設備の導入に補助金を使う場合は、FPの知見から申請の支援もあわせて行います
報酬の目安とご依頼の流れは、次のページにまとめています。

ご相談の際に、製品の成分のおおよそと売り方(自社ブランド・OEM委託・輸入)を伺えれば、必要な許可の組み合わせの見当をお伝えできます。企画中の製品でも構いません。

