肥料登録の電子申請(e肥料)|手順・手数料・登録日の決まり方

肥料登録の電子申請(e肥料)|手順・手数料・登録日の決まり方

肥料登録(普通肥料の農林水産大臣登録)は、e肥料(肥料情報システム)から電子申請できます。書面より手数料が安く、24時間いつでも申請できる一方、画面の操作や見本の送り方でつまずく場面があります。

特に見落とされやすいのが、登録日の決まり方です。申請書を送信した日ではなく、締切までに書類・手数料・見本がそろったかで、登録される月が変わります。

当事務所は、FAMIC(独立行政法人農林水産消費安全技術センター)との下書き確認から電子申請、見本の送付までを実際に進めてきました。その経験をもとに、肥料登録の電子申請の流れと注意点を整理します。

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肥料登録を電子申請するときの流れ

肥料登録の申し込みは、電子申請の場合、アカウントの取得から見本の到着まで5つの段階に分かれます。順番を間違えると入力が先に進まない箇所があるため、全体像を先に押さえておくことが重要です。

e肥料のアカウントを取得する

e肥料を使うには、農林水産省のページからアカウントを申請します。GビズIDがなくても申請できますが、法人の場合は登記簿抄本等を本人確認書類として添付します。

e肥料はGビズIDの委任機能に対応したサービスです(GビズIDの公式の「利用できる行政サービス一覧」。利用できるアカウントはプライムとメンバー)。事業者と代理人の間で委任関係を設定すれば、事業者のIDとパスワードを預かることなく、代理人が手続きを進められる仕組みです。行政書士に依頼する場合も、この委任機能を使えば、事業者のアカウントを共有せずに申請を進められます。

なお、行政書士法第1条の3は、官公署に提出する書類の作成に「その作成に代えて電磁的記録を作成する場合」を含めています。e肥料に申請内容を入力して申請データを作ることも、書類の作成にあたります。他人の依頼を受けて報酬を得てこれを行えるのは、行政書士(行政書士法人を含む)に限られます(同法第19条)。

GビズIDのアカウントの種類や委任の考え方は、次の記事で解説しています。

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電子申請の対象は、法第2条第4項の「生産業者」「輸入業者」と、国内管理人です。都道府県知事あての登録や特殊肥料の届出は、e肥料の対象外です

生産する事業場を先に登録する

肥料登録申請の画面では、「生産する事業場」を自由に入力できず、登録済みの事業場から選ぶ形式になっています。事業場が未登録だと、申請の入力が先に進みません。

事業場の登録は、左メニューの「事業場に関する申請」から行います。申請の種類(レコードタイプ)は「自社工場の追加」「生産設備の賃借による肥料の生産に関する届出」「委託による肥料の生産に関する届出」などに分かれています。他社の工場で生産する場合の扱いは、次の記事で詳しく解説しています。

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申請内容を入力し、書類を添付する

入力する項目は、書面の登録申請書と同じです。ただし電子申請では、肥料品質確保法施行規則第4条第1号〜第4号の事項(生産工程の概要など)を、PDFで添付する必要があります(FAMIC「肥料登録申請の手引き」)。

入力画面には「保存後に詳細画面にてファイルを添付してください」と表示されます。添付は入力画面ではなく、いったん保存した後の詳細画面で行います。分析報告書や原料のSDS、登記事項証明書なども、ここでPDFとして添付します。

保存時に注意事項が表示された場合は、画面上部の「注意事項確認済み」にチェックを入れると保存できる仕組みです。

登録手数料を電子納付する

電子申請の手数料は、肥料品質確保法施行令第3条第1項で32,800円と定められています。書面申請の38,100円より安くなります。これとは別に登録免許税がかかり、e肥料の電子納付の画面では、新規登録の申請料は47,800円と表示されます。

電子納付は、申請を送信して受理状況が「受理待ち」になってから行います。流れは次のとおりです。

  1. 左メニューの「電子納付を依頼する」を開く
  2. 代表者の氏名(カナ)・住所(カナ)・郵便番号を半角で入力する
  3. 納付する申請にチェックを入れて「納付依頼」を押す
  4. 「電子納付状況を確認する」で、ステータスが「納付依頼中」から「納付待ち」に変わるのを待つ
  5. 表示された収納機関番号・納付番号・確認番号で、インターネットバンキングやATMのペイジー(Pay-easy)から支払う

氏名と住所のカナは、小書き文字(「ャ」など)を使わず、ハイフンも半角にする決まりです「納付依頼」を押しただけではお金は動かず、番号が発行されるだけです。番号があれば誰でも支払えるため、事業者の経理担当者に番号を伝えて、事業者の口座から直接支払ってもらうこともできます。

画面に表示される納付期限は、依頼した日から10か月ほど先の日付でした。ただし登録を急ぐ場合は、画面の納付期限ではなく、次に説明する締切日までに支払う必要があります。

肥料の見本をFAMICへ送る

電子申請でも、肥料の見本は現物を送る必要があります。見本の量やラベルのルールは、後の見出しで説明します。

受付の締切と登録日の決まり方

FAMICでは、毎月10日と25日を締切日として登録申請を受け付けています。10日の15時までに受け付けたものは翌月10日付け、25日の15時までに受け付けたものは翌月25日付けで登録されます(FAMIC「肥料登録申請の手引き」)。締切日・登録日が土日祝日にあたる場合は、翌営業日になります。

電子申請は24時間いつでも送信できますが、送信しただけでは受付になりません。当事務所がFAMICに照会したところ、申請の送信・手数料の納付・見本の到着の3つがそろった時点が受付とされていました。

手引きも、予定どおり登録するには申請書の完成に加えて、必要な書類がすべてそろっている必要があるとしています。見本の到着が締切に間に合わなければ、登録日は次の回にずれます

電子申請と書面申請の違い

電子申請と書面申請では、手数料・申請できる時間・登録証の受け取り方が異なります。

項目電子申請(e肥料)書面申請
手数料(施行令第3条第1項)32,800円38,100円
登録免許税を含む納付額47,800円(電子納付)53,100円(収入印紙)
申請できる時間24時間365日土日祝日・年末年始を除く日
登録証デジタルか紙かを入力画面で選択(紙は郵送用の切手等が必要)紙の登録証(郵送を希望する場合は返信用封筒)

電子申請では、入力画面の「登録証等発行方法」でデジタルと紙を選べます。デジタルの登録証の備え付けについて、当事務所がFAMICに照会したところ、生産する事業場には印刷して備え付け、本社は電子データのままでよいとの回答でした。

申請の受理後は、登録できなかった場合でも手数料(電子申請32,800円・書面38,100円)は返還されません(手引き)。事前にFAMICと申請内容を打ち合わせてから送信することが重要です。

肥料の見本とラベルのルール

肥料の見本は、肥料品質確保法施行規則第5条で、登録する肥料1件ごとに500グラム以上と定められています。見本の容器の外部には、次の3点を書いた票紙(ラベル)を付けます(同条第2項)。

  • 申請者の氏名または名称及び住所
  • 肥料の種類及び名称
  • 含有主成分量及び有害成分の含有量

3点目は、保証成分量ではなく分析値を書きます。手引きは、保証する主成分と、その肥料の種類の公定規格で最大量が定められた有害成分の分析値のことだとしています。

ラベルに決まった様式はありません。照合しやすいようにe肥料での申請番号も書き添えておくのがよいと思われます。

送付方法について、当事務所の照会に対しFAMICからは、漏れないよう封をしてあれば普通郵便・書留・宅配便のいずれでもよいとの回答でした。水酸化カリウムを含むような強いアルカリ性の液体は、アルミなどの金属の容器を避けてポリエチレン等の容器を選び(製品のSDSの「安全な容器包装材料」の欄で確かめられます)、キャップを固定して立てて梱包すると安心です。

e肥料の入力でつまずきやすい項目

画面の仕様上、書面申請にはない注意点がいくつかあります。

​入力でつまずきやすい項目
  • 肥料の名称は全角文字のみ入力できる仕様でした。半角の英数字で考えていた名称も、全角で登録されます。保証票に記載する名称は登録証と同一でなければならないため(施行規則第11条第6項)、見本のラベルや保証票も全角にそろえることを推奨します
  • 生産工程の「材料」欄は、原料を書く欄ではありません。施行規則第4条第4号の材料(固結防止材・着色材・発酵促進材など)を使う場合に書く欄です。該当しなければ空欄になります
  • 要植害確認原料のチェック欄は、原料規格第2の項ごと(第2の1〜第2の20)に並んでいます。公定規格で植害試験が必要とされる原料を使う場合にだけ、該当する項にチェックします

よくある質問

肥料登録の電子申請にGビズIDは必要ですか?

必須ではありません。e肥料のアカウントは、GビズIDがあってもなくても申請できます。GビズIDがない場合は、登記簿抄本等を本人確認書類として添付して申請します。ただし行政書士などに手続きを任せる場合は、GビズIDの委任機能を使うと、IDとパスワードを共有せずに済みます。

電子申請でも、FAMICに下書きを確認してもらえますか?

e肥料には、オンライン上で事前相談ができる機能があります。当事務所では、正式な申請の前に申請内容と添付書類をFAMICに確認してもらい、指摘のあった箇所を直してから送信しました。手数料が返還されない以上、事前確認を推奨します。

肥料登録にはどれくらいの期間がかかりますか?

締切日までに受付が済めば、翌月の10日または25日に登録されます。つまり受付から登録までは、おおむね1か月です。これとは別に、成分分析の依頼やFAMICとの下書き確認に日数がかかります。登録を希望する日から逆にたどって、準備を始めることを推奨します。

電子申請で登録した肥料の登録証は、どこに置けばよいですか?

肥料品質確保法第11条により、登録証は主たる事務所に備え付け、生産業者はその写しを生産する事業場に備え付ける必要があります。デジタルの登録証の場合、生産する事業場には印刷したものを置く扱いになります。

普通肥料の登録の全体像や、販売業者の届出については、次の記事で解説しています。

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当事務所の強み:e肥料の準備から登録後の手続きまで

肥料の登録の電子申請は、当事務所がe肥料のアカウントの準備から申請、登録後の変更・更新までお引き受けします。

元化学メーカー研究員として、製品の成分や生産工程を読み解いたうえで、肥料の登録手続きを支援します。分析報告書の数値と公定規格の照合、生産工程の概要の作成まで、技術面から申請書類を整えられます。

e肥料による電子申請は、FAMICの窓口に出向かずにどこからでも行えます。当事務所は大阪にありますが、全国の事業者の肥料登録に対応しています。打ち合わせもオンラインで行えるため、工場や本社が遠方にあっても、申請の準備から登録まで進められます。

  • e肥料による農林水産大臣登録の電子申請(アカウントの準備から見本の送付まで)
  • GビズIDの委任機能を使った手続きの代行
  • 公定規格の種類の判定と、原料規格への当てはめの整理
  • FAMICとの下書き確認・照会の対応
  • 締切日と登録日から逆にたどった、見本の発送日の設定
  • 登録後の変更届・更新申請

希望する登録日が決まっていれば、見本を発送すべき日までお伝えできます。ご連絡をお待ちしています。

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