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毒物劇物製造業・輸入業の登録申請|販売業との違いと許可手続きを解説

「化学品を自社で合成・製造して販売したい」「海外メーカーの毒劇物を輸入して国内に流通させたい」という場合、販売業の登録だけでは足りません。製造する事業者には製造業の登録、輸入する事業者には輸入業の登録がそれぞれ必要です(毒物及び劇物取締法第3条)。

元化学メーカー研究員として毒物劇物を日々取り扱ってきた経験から、製造業・輸入業の登録要件と手続きの流れを解説します。

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3種類の登録区分

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毒物及び劇物取締法が定める登録区分は、製造業・輸入業・販売業の3種類です(毒劇法第4条の2等)。それぞれ登録先・要件・更新周期が異なります。

区分対象行為更新周期
製造業販売・授与目的での毒劇物の製造5年ごと
輸入業販売・授与目的での毒劇物の輸入5年ごと
販売業毒劇物の販売・授与・貯蔵・運搬6年ごと

製造業と輸入業の更新は5年ごと、販売業は6年ごとです(毒劇法第4条第3項)。自社で製造した毒劇物を他の毒劇物営業者(製造業者・輸入業者・販売業者)に販売する場合は、製造業の登録のみで販売業の登録は不要です(毒劇法第3条第3項ただし書き)。一般消費者に販売する場合は、製造業の登録に加えて販売業の登録も必要になります。

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製造業・輸入業の登録先

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登録は、製造所または営業所の所在地を管轄する都道府県知事が行います(毒劇法第4条第1項)。大阪府内に製造所がある場合は大阪府知事が登録先です。

なお、販売業(店舗)が保健所設置市または特別区の区域にある場合は市長または区長が登録先になりますが(同条),製造業・輸入業は都道府県知事のみです。

登録の要件

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登録申請が受理されるためには、次の3点をすべて満たす必要があります。

設備基準への適合

製造所・営業所の設備が厚生労働省令で定める基準に適合していることが必要です(毒劇法第5条)。毒劇物の保管・製造に用いる設備について、漏洩防止・施錠・表示等の要件があります。申請前に設備の状況を確認し、必要に応じて改修します。

毒物劇物取扱責任者の選任

毒劇物を直接取り扱う製造所・営業所ごとに、専任の毒物劇物取扱責任者を設置しなければなりません(毒劇法第7条)。取扱責任者は、次のいずれかの資格を持つ者でなければなりません(毒劇法第8条)。

  1. 薬剤師
  2. 厚生労働省令で定める学校で応用化学に関する学課を修了した者
  3. 都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験の合格者

取扱責任者を選任したときは、30日以内に都道府県知事に氏名を届け出なければなりません(毒劇法第7条第3項)。変更した場合も同様です。

倉庫を持たない輸入業者にも設置義務がある

「商品を保税倉庫から取引先へ直送するため、自社の営業所では現物を扱わない」という形でも、輸入業には取扱責任者が必要です。厚生労働省の通知(平成13年2月7日 医薬化発第5号)が、この点を明記しています。

輸入業者において、貯蔵、運搬を他の倉庫業者、運送業者等に委託している場合もこれに該当するので、毒物劇物取扱責任者を設置させてください

条文の「直接取り扱う」という文言だけを読むと不要に見えます。しかし倉庫や運送を外部に委託していても、設置義務を免れることはできません。無在庫で輸入販売を計画している事業者が見落としやすい点です。

派遣社員・出向者は充てられない

同じ通知が、雇用形態についても定めています。

毒物劇物取扱責任者は労働者派遣事業の対象とすることは適当でないこととしていることから、設置される毒物劇物取扱責任者がその製造業者又は輸入業者に雇用されていることを確認してください。本社からの出向の場合等、身分を出向元(本社等)に残している場合は派遣とみなされるため、認められません

判断の基準は「その会社に雇用されているか」の一点です。正社員・契約社員・アルバイトといった区分は問われません。一方、派遣社員は派遣元と雇用契約を結んでいるため充てられず、籍を出向元に残したままの出向者も同じ扱いになります。届出時には雇用契約書の写しなど使用関係を証する書類を添付します(施行規則第5条第2項第4号)。

当事務所代表は毒物劇物取扱責任者となる資格を満たしており、責任者要件の判断や手続きの相談に対応できます。

欠格事由への非該当

申請者(法人の場合は薬事に関する業務に責任を有する役員)が、登録取消から2年未満であるなどの欠格事由に該当しないことが必要です(毒劇法第5条)。

申請書類の構成

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製造業・輸入業の登録申請に必要な主な書類は次のとおりです。都道府県によって追加書類が求められる場合があります。

  • 製造業(輸入業)登録申請書
  • 製造所(営業所)の平面図・設備の構造を示す書類
  • 製造(輸入)しようとする毒劇物の品目一覧
  • 毒物劇物取扱責任者の資格を証する書類
  • 法人の場合:登記事項証明書
  • 申請者の誓約書・欠格事由に関する書類

品目ごとに登録が必要なため、製造・輸入する全品目を正確に申請書に記載する必要があります。後から品目を追加する場合は品目変更の登録変更申請が別途必要です(毒劇法第9条)。

品目変更登録の落とし穴

製造業・輸入業の登録は、登録を受けた品目に限定されます。新たな毒劇物品目を製造・輸入しようとするときは、事前に品目の登録変更を受けなければなりません(毒劇法第9条)。

登録変更なしに新品目を製造・輸入した場合、毒劇法違反になります。製品ラインナップを拡張するたびに変更手続きが必要な点は、運用上の重要なポイントです。

30日以内の届出義務

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次の変更が生じた場合は、30日以内に所在地を管轄する都道府県知事への届出が必要です(毒劇法第10条)。

  • 氏名・住所(法人の場合は名称・主たる事務所所在地)の変更
  • 毒劇物の製造・貯蔵・運搬設備の重要部分の変更
  • 営業の廃止

廃止届を提出した時点で登録の効力を失います(同条第3項)。

販売業との申請の同時進行

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一般消費者向けに販売する場合は、製造業(または輸入業)の登録と併せて販売業の登録も必要です。製造業と販売業が隣接する施設の場合、毒物劇物取扱責任者は1人で兼任できます(毒劇法第7条第2項)。

販売業の登録要件・申請書類・オーダー販売の扱いは、別の記事で詳しく解説しています。

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よくある質問

Q. 試験研究目的で毒劇物を製造する場合も登録が必要ですか?

A. 販売・授与を目的とする製造でなければ、製造業の登録は不要です。ただし、特定毒物を製造・使用する場合は都道府県知事の特定毒物研究者の許可が必要です(毒劇法第6条の2)。

Q. 海外から輸入した毒劇物を国内で製造業者に販売したい場合は?

A. 輸入業の登録が必要です。輸入した毒劇物を他の毒劇物営業者(製造業者・輸入業者・販売業者)に限って販売する場合は、輸入業の登録のみで足ります。一般企業(毒劇物営業者以外)に販売する場合は販売業の登録も必要です。

Q. 登録申請から取得までどのくらいかかりますか?

A. 都道府県によって異なりますが、書類審査・施設確認の期間を含めて1〜3ヶ月程度が一般的な目安です。製造所・営業所の新規設置と同時進行の場合は、設備完成後でないと申請できないため、スケジュールに余裕を持って進めることを推奨します。

当事務所の強み:化学の実務知識を活かした毒劇物申請支援

毒物劇物取扱責任者となる資格を満たし、元化学メーカー研究員として毒劇物の取扱・SDS作成を実務で経験しました。「自社が製造する化学品が毒劇物に該当するか」という該非判定の段階から、登録申請書類の作成・提出代行まで対応します。

  • 製造業・輸入業・販売業の登録申請(新規・品目変更・更新)
  • 毒物劇物取扱責任者の選任要件確認
  • SDS作成・改訂支援との組み合わせ
  • 化粧品・医薬部外品・アルコール業務との関連手続きのワンストップ対応
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