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薬事三役の要件と兼任ルール|化粧品・医薬部外品の責任者設置

化粧品・医薬部外品の製造販売業許可では、許可取得前に責任者を社内に設置する必要があります。「誰が要件を満たすのか」「外部の専門家に依頼できないか」という相談は頻繁に寄せられます。

総括製造販売責任者をはじめとする「薬事三役」は、法律上の使用関係(雇用契約等)が前提です。社外の者が名目上の責任者を引き受けることは名義貸しに当たり、薬機法違反となります。

業種別の資格要件・兼任パターン・要件を満たせない場合の対応を解説します。

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薬事三役とは

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「薬事三役」は法律用語ではなく、業界で慣用的に使われる言葉です。製造販売業に設置が必要な3名の責任者を指します。

製品を市場に出す許可(製造販売業)の許可業者が設置する3名です。

  1. 総括製造販売責任者:品質管理と製造販売後安全管理の総責任者。薬機法第17条第1項に設置義務があります。
  2. 品質保証責任者:品質管理業務を担う責任者。GQP省令に設置義務があります。
  3. 安全管理責任者:製造販売後安全管理(副作用情報の収集等)を担う責任者。GVP省令に設置義務があります。

なお、製造業許可も持つ場合は、製造所ごとに責任技術者の設置が別途必要です(薬機法第17条第10項)。

総括製造販売責任者の資格要件

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業種によって求められる資格が異なります。医薬品・医薬部外品・化粧品の順に要件が緩くなります。

業種根拠条文主な要件の最低ライン
医薬品製造販売業施行規則第85条薬剤師(原則)
医薬部外品製造販売業施行規則第85条の2第1項薬剤師 OR 大学等で薬学・化学専門 OR 高校等で薬学・化学専門+3年実務
化粧品製造販売業施行規則第85条の2第2項薬剤師 OR 高校等で薬学・化学専門 OR 高校等で薬学・化学科目+3年実務

医薬部外品製造販売業の場合

施行規則第85条の2第1項は、以下のいずれかを満たす者を規定しています。

  1. 薬剤師
  2. 大学または高等専門学校(以下「大学等」)で、薬学または化学に関する専門の課程を修了した者
  3. 旧制中学・高校またはこれと同等以上の学校で、薬学または化学の専門課程を修了後、医薬品または医薬部外品の品質管理もしくは製造販売後安全管理の業務に3年以上従事した者
  4. 厚生労働大臣が1〜3と同等以上の知識経験を有すると認めた者

化粧品との主な違いは第2号です。医薬部外品は「大学等」での薬学・化学専門課程修了が求められます。

化粧品製造販売業の場合

施行規則第85条の2第2項は、以下のいずれかを規定しています。

  1. 薬剤師
  2. 旧制中学・高校またはこれと同等以上の学校で、薬学または化学に関する専門の課程を修了した者
  3. 旧制中学・高校またはこれと同等以上の学校で、薬学または化学に関する科目を修得後、医薬品・医薬部外品・化粧品の品質管理または製造販売後安全管理の業務に3年以上従事した者
  4. 厚生労働大臣が1〜3と同等以上の知識経験を有すると認めた者

医薬部外品の第2号が「大学等」なのに対し、化粧品は「旧制中学・高校以上」でよいため学歴要件が緩くなっています。また第3号は「専門の課程の修了」でなく「科目の修得」後の3年実務で足り、化粧品の品質管理・安全管理の実務もカウントされます。

品質保証責任者・安全管理責任者の要件

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化粧品・医薬部外品の品質保証責任者・安全管理責任者には、総括製造販売責任者のような学歴・実務年数の定量的な要件はありません。

品質保証責任者

GQP省令第17条は、医薬部外品・化粧品の品質保証責任者について以下を求めています。

  • 品質管理業務を適正に遂行できる能力があること
  • 製品の販売に係る部門に属さないこと

安全管理責任者

GVP省令は、化粧品・医薬部外品の製造販売業者(第三種製造販売業者)の安全管理責任者について、第15条で第13条を準用しています。求められるのは適正な業務遂行能力と、製品の販売に係る部門からの独立です。

品質保証責任者・安全管理責任者は、一定の条件のもとで総括製造販売責任者が兼任できる場合があります。運用は都道府県薬務担当の判断によるため、申請前に確認が必要です。

外部委託と名義貸しのリスク

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「社外の行政書士や薬事コンサルタントに薬事三役を依頼できるか」という問い合わせを受けることがあります。結論として、外部の者が責任者に就任することはできません。

許可申請では使用関係を証明する書類が必要です。雇用契約書の写し等を添付します。社外の者を名目上の責任者とすることは、実態を伴わない名義貸しに当たります。

社外の専門家が薬事三役として就任することは薬機法違反に該当します。許可後に発覚した場合、許可取消のリスクもあります。

行政書士に依頼できるのは、許可申請の代行・GQP/GVP手順書の作成支援・許可後の実務支援などです。責任者として法的に就任することは行政書士の業務範囲外です。

要件を満たせない場合の対応

社内に適任者がいない場合の対応として、主に3つの方向性があります。

要件を満たす人材を採用する

最も確実な方法です。薬学・化学系の大学を卒業した人材、または3年以上の実務経験を持つ薬事担当者を採用します。常勤での設置が必要となります。

代表者・役員が自ら要件を取得する

化粧品製造販売業の場合、高校で化学・薬学の科目を修得した後、自社で3年間の品質管理または製造販売後安全管理の実務を積む方法があります。自社の品質管理業務に携わることで実務経験の要件を満たせます。

医薬部外品製造販売業では「大学等で薬学・化学専門課程修了」がルートの一つです。社会人向け通信制大学での取得を検討する方もいますが、時間がかかるため即時の解決策にはなりません。

OEM委託という選択肢

自社では製造販売業許可を取得せず、OEM受託先の許可のもとで製品を供給する形態にすれば、三役の設置義務は生じません。ただし自社ブランド製品を自社で製造販売する形態では、原則として選択できません。

総括製造販売責任者の兼任パターン

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1名が複数の許可の総括製造販売責任者を兼任できるかは、許可の内容・所在地・法人関係によって異なります。法令上に兼任の可否を明示した条文はなく、実務上の可否は管轄の都道府県薬務担当の運用によります。申請前に管轄窓口へ確認してください。

なお、兼任は「好ましくない」が前提です。認められる場合の条件は、同一所在地に勤務していること、それぞれの業務遂行に支障がないこと、兼任に合理性があること、の3点です(京都府薬事支援センター参考情報)。

製造販売業内での兼任

化粧品・医薬部外品共通で、総括製造販売責任者と品質保証責任者の兼任、または総括製造販売責任者と安全管理責任者の兼任が認められることがあります。

化粧品に限り、総括製造販売責任者・品質保証責任者・安全管理責任者の三役全員を1名が兼任することが可能とされています(大阪府薬務課)。ただし兼任する場合でも、それぞれの責任者の役割を実質的に果たすことが必要です。医薬部外品では三役全員の兼任は通常認められません。

化粧品・医薬部外品の両方の製造販売業を持つ場合

同一法人が化粧品製造販売業と医薬部外品製造販売業の両方の許可を受けている場合、1名が両許可の総括製造販売責任者を兼任できるとされています。医薬部外品の要件(施行規則第85条の2第1項)は化粧品の要件(施行規則第85条の2第2項)より厳しいため、医薬部外品の要件を満たしていれば化粧品も満たすことになります。

製造販売業と製造業を兼任する場合

製造販売業と製造業の両方の許可を持つ場合、品質保証責任者と責任技術者の兼任が認められることがあります。化粧品に限り、総括製造販売責任者と責任技術者の兼任が認められることもあります。

よくある質問

Q:総括製造販売責任者が退職・産休になった場合はどうすればよいですか?

欠員が生じた場合は速やかに後任を選任し、変更後30日以内に変更届を提出します。産休・育休等で長期不在が見込まれる場合も同様に、実態として業務を担える者を確保することが必要です。

Q:行政書士に薬事三役の就任を依頼できますか?

依頼できません。使用関係(雇用契約等)のない社外の者が責任者として就任することは名義貸しに該当します。当事務所が対応できるのは、許可申請の代行・GQP/GVP手順書の整備・変更届対応・要件充足の整理といった実務支援です。

Q:外国人が総括製造販売責任者に就任できますか?

薬機法・施行規則に国籍を制限する条文はありません。在留資格(技術・人文知識・国際業務等)を持ち、学歴・実務要件を満たしていれば、就任要件上は問題がないと考えられます。ただし運用上の取り扱いは都道府県薬務担当への確認を推奨します。許可申請・行政窓口対応については、行政書士が申請代行・窓口対応を担えます。

Q:製造販売業と製造業を同じ法人で持つ場合、総括製造販売責任者と責任技術者は同一人でよいですか?

兼任できる場合があります。施行規則第85条の2と第91条でそれぞれ要件が定められており、化粧品・医薬部外品の場合は要件が近似しているため同一人が対応できるケースがあります。実際の運用は薬務担当の事前確認を推奨します。

当事務所の強み:責任者体制の設計から許可申請まで一貫対応

元化学メーカー研究員として化粧品の研究開発に携わった経験から、総括製造販売責任者が実際に担う業務の実態を踏まえた体制設計が可能です。

  • 総括製造販売責任者の資格要件確認・変更届・GQP/GVP手順書の整備を一体で進められます
  • 製造販売業・製造業の両許可をお持ちの場合、兼任パターンの整理から申請まで対応します
  • オンライン対応のため全国どこからでもご相談いただけます

責任者を誰に置くか決まっていない状態でも構いません。要件の確認から整理します。

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