産廃・リサイクル設備に使える補助金|対象外になる費用と許可のスケジュール

産廃・リサイクル設備に使える補助金|対象外になる費用と許可のスケジュール

処理量が増えて設備が追いつかない、古い破砕機を入れ替えたい、リサイクルの新しい工程を立ち上げたい。こうした場面で補助金を検討することがあります。

ところが産廃・リサイクル設備に使える補助金を調べ始めると、二重の壁にぶつかります。ひとつは収集運搬車両が補助対象経費から外れていること。もうひとつは、施設の種類によっては許可の手続きだけで補助事業実施期間の相当部分を費やしてしまうことです。

とくに後者は、他の業種の設備投資にはない事情です。産業廃棄物処理施設の設置許可には、生活環境影響調査や公衆縦覧といった手続きが法定されています。

本記事では、何が補助対象経費になるのか、そして施設の種類ごとに許可のスケジュールがどう変わるのかを整理します。

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収集運搬車両は補助対象にならない

最初に確認すべきはここです。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の機械装置・システム構築費は、対象を耐用年数省令の区分で限定しています。

「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」における「機械及び装置」、「器具及び備品」、「工具」に係る経費が対象です。「船舶」、「航空機」、「車両及び運搬具」に係る経費は対象になりません

産廃業で真っ先に投資対象になる収集運搬車両は、この「車両及び運搬具」に当たります。ダンプ、パッカー車、コンテナ車のいずれも補助対象外です。

パッカー車は、耐用年数省令の別表第一に名前が挙がっています。「特殊自動車」の項が「タンク車、じんかい車、し尿車、寝台車、霊きゆう車、トラックミキサー、レッカーその他特殊車体を架装したもの」を掲げており、じんかい車がパッカー車にあたります。ダンプも貨物自動車の「ダンプ式のもの」として同じ別表第一に置かれています。

補助金を使えるのは、処分業側の設備が中心になります。破砕機、脱水機、選別機、焼却炉といった処理施設です。

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フォークリフトと重機で結論が分かれる

ここで取り上げる2つは、耐用年数省令のなかで扱いが違います。

フォークリフトは、別表第一の「車両及び運搬具」に名称を挙げて掲げられています(耐用年数4年)。車両及び運搬具に位置づけられている以上、機械装置・システム構築費には計上できません。

一方、同じ別表第一の「特殊自動車」の項は、括弧書きで「別表第二に掲げる減価償却資産に含まれるブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械」を除いています。ショベル系の自走式作業用機械は「機械及び装置」の側に入る余地があります。

同じ「現場を走る機械」でも結論が変わるため、税務上どちらの区分で計上しているかを、設備を選ぶ段階で確認することを推奨します。

単なる置き換えも対象外

もうひとつの制限があります。

既存の機械装置・システム等の単なる置き換えに係る経費は対象外です

老朽化した破砕機を同等品に更新する、という計画はそのままでは通りません。処理能力が上がる、これまで扱えなかった品目を処理できるようになるといった変化を説明できる必要があります。

なお補助対象となる機械装置等は単価10万円(税抜き)以上とされ、機械装置・システム構築費と建物費については耐用年数省令に基づいて審査が行われます。省力化投資補助金では、単価50万円(税抜き)以上の機械装置等の設備投資が1つ以上必要とされており、金額の条件が異なります。

施設の種類で許可のスケジュールが3段階に分かれる

産業廃棄物処理施設の設置には、廃棄物処理法第15条第1項に基づく都道府県知事の許可が必要です。政令市では市長が許可権者になります(法第24条の2)。ただしすべての設備に許可が要るわけではなく、許可が要る場合でも手続きの重さが異なります。

段階該当する設備の例手続き
許可が不要規模要件に満たない破砕機など廃棄物処理法上の設置許可は不要(他法令の届出は残ります)
許可は要るが縦覧は不要廃プラスチック類・がれき類の破砕施設、汚泥の脱水施設、廃酸・廃アルカリの中和施設設置許可
許可+生活環境影響調査+縦覧汚泥・廃油・廃プラスチック類の焼却施設、石綿溶融施設、PCB関係施設、最終処分場設置許可+調査+告示・縦覧・意見書

規模要件を超えるかどうか

許可が必要な施設は政令で列挙されています。破砕施設であれば、廃棄物処理法施行令第7条第7号(廃プラスチック類)と第8号の2(がれき類等)が、いずれも1日当たりの処理能力5トン超を要件としています。

汚泥の脱水施設は1日10立方メートル超(第1号)、廃酸・廃アルカリの中和施設は1日50立方メートル超(第6号)です。

処理能力が閾値を下回れば設置許可は不要になります。導入する機械の仕様が閾値のどちら側にあるかで、手続きの重さが大きく変わります。

許可が不要でも届出は残る

設置許可が不要でも、それで手続きが終わるわけではありません。破砕機の場合、処理する品目と原動機の出力によって、別の法令の届出が生じます。

​許可が不要でも残る届出
  • 一般粉じん発生施設の届出(大気汚染防止法第18条):鉱物・岩石・セメント用の破砕機・摩砕機で、原動機の定格出力75kW以上のものが対象です(同法施行令別表第二第4号。湿式・密閉式のものは除かれます)。工事の着手前に都道府県知事へ届け出ます。
  • 特定施設の届出(騒音規制法第6条・振動規制法第6条):土石用または鉱物用の破砕機・摩砕機・ふるい・分級機で、原動機の定格出力7.5kW以上のものが対象です(各施行令別表第一)。指定地域内であれば、工事開始の30日前までに市町村長へ届け出ます。
  • 自治体の条例に基づく届出:粉じんを発生・飛散させる施設について、独自に届出を求めている例があります。大阪府生活環境の保全等に関する条例では、粉砕施設・ふるい分施設・選別施設などが届出施設とされています(条例第19条)。

がれき類やコンクリート破片を扱う破砕機は、これらの「鉱物・岩石」「土石用」の要件に入りうる一方、廃プラスチック類の破砕機は当たりません。同じ破砕機でも、扱う品目で届出の要否が変わります。該当するかどうかは、機械の仕様と処理する品目を示して自治体の担当課に確認することを推奨します。

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縦覧が必要になる施設は限られる

告示・公衆縦覧の手続きは、廃棄物処理法第15条第4項が「政令で定めるものに限る」としています。施行令第7条の2がその範囲を定めており、焼却施設・溶融施設・PCB関係施設・最終処分場などが該当します。焼却施設は、汚泥・廃油・廃プラスチック類のものに限られません。それ以外の産業廃棄物の焼却施設も、1時間当たり200kg以上または火格子面積2平方メートル以上であれば対象に入ります。

破砕施設や脱水施設は、許可は必要でも縦覧の対象には入りません。

縦覧が必要な施設の時間軸

縦覧の対象になると、法律上、動かせない期間が積み上がります。

申請の前
生活環境影響調査
申請
設置許可の申請(交付決定を待たずに先行できる)
告示の日から1か月
申請書と調査結果の縦覧
縦覧期間満了の翌日から2週間
利害関係者の意見書の提出期限(関係市町村長の意見聴取も)
許可の前
専門家の意見聴取
施設の完成後
使用前の検査

生活環境影響調査(第15条第3項)
設置が周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査結果を、申請書に添付する必要があります。調査そのものに相応の期間がかかります。

告示と縦覧(第15条第4項)
都道府県知事は申請があったことを告示し、申請書と調査結果を告示の日から1か月間公衆の縦覧に供します。

関係市町村長への意見聴取(第15条第5項)
知事は関係市町村長に通知し、期間を指定して生活環境の保全上の見地からの意見を聴きます。

利害関係者の意見書(第15条第6項)
利害関係を有する者は、縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに意見書を提出できます。

専門家の意見聴取(第15条の2第3項)
縦覧の対象になる施設については、知事は許可をする前に、周辺地域の生活環境の保全等への配慮(同条第1項第2号)について、専門的知識を有する者の意見を聴くことになっています。

縦覧1か月と意見書2週間だけで1か月半が確定で積み上がります。その前段に生活環境影響調査があり、意見書が提出されればその後の対応にも時間がかかります。

一方、補助事業実施期間は交付決定日から14か月以内です。採択発表日から数えても16か月以内です(革新的新製品・サービス枠は10か月以内・12か月以内)。交付決定が遅れても後ろの期限は動きません。この期間内に、契約(発注)・納入・検収・支払いのすべてを終える必要があり、期間の延長は天災など自らの責任によらない事由がある場合を除いて原則認められません。

許可を取ってから発注したのでは間に合わず、かといって交付決定前に発注すれば補助対象外になります。焼却炉や溶融炉を補助金で導入しようとする場合、この板挟みをどう解くかが計画の中心になります。

既存施設の能力を上げると変更許可になる

新設でなく既存施設の更新でも、同じ手続きが走ることがあります。

許可を受けた施設について、処理する産業廃棄物の種類・処理能力・位置や構造・維持管理の計画を変更するときは、変更許可が必要です(法第15条の2の6第1項)。軽微な変更は除かれますが、処理能力が10パーセント以上増えるに至る変更、施設の位置の変更、処理方式の変更は、軽微な変更に当たりません(規則第12条の8、規則第11条第2項)。

この変更許可には、生活環境影響調査から意見書の提出まで(法第15条第3項から第6項まで)が準用されます(法第15条の2の6第2項)。縦覧の対象になる施設であれば、更新であっても新設と同じ時間軸で考える必要があります。

補助金が「単なる置き換え」を認めず、処理能力の向上などの変化を求めることは先に触れました。その変化が10パーセントの線を越えると、変更許可の手続きが乗ってきます。補助金の要件を満たす計画ほど、許可の手続きが重くなる関係にあります。

許可申請は交付決定を待たなくてよい

現実的な進め方は、許可申請を先行させることです。公募要領が禁じているのは、交付決定日より前に補助事業に係る製品の購入や役務の提供の契約(発注を含む)をすることです。許可の申請そのものは、補助対象経費となる発注や契約には当たりません。申請の手数料や専門家への依頼費用は補助対象外なので、交付決定を待たずに進められます。

生活環境影響調査に着手し、申請を出し、縦覧と意見聴取が進んでいる間に、補助金の応募申請と審査が並行します。許可が下りる時期と交付決定の時期を近づけておくことが、実施期間に収める条件になります。

設備が完成した後にも段階が残ります。許可を受けた産業廃棄物処理施設は、知事の検査を受け、許可に係る設置計画に適合していると認められた後でなければ使用できません(法第15条の2第5項)。補助事業としての完了と、施設を実際に動かせる時期は一致しない点に注意が必要です。

なお許可申請の手数料や、手続きを専門家に依頼した費用は補助対象になりません。公募要領は外注費の対象外として「申請者自身が行うべき手続きの代行に係る経費」を挙げています。

業の許可側の手続きも動く

施設の許可とは別に、処分業の許可にも影響が出ることがあります。

産業廃棄物処分業者が事業の範囲を変更するときは、都道府県知事の変更許可を受けなければなりません(法第14条の2第1項)。新しい設備で扱う廃棄物の種類が増える、処理の方法が変わるといった場合は、施設の許可と業の変更許可が並行して動きます。

収集運搬業だけを持つ事業者が処分業に広げる場合は、処分業の新規許可が必要です。設備の導入計画と、業の許可の取得時期を合わせて組み立てることになります。

よくある質問

収集運搬車両を増やしたいのですが、使える補助金はありますか。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、車両及び運搬具が機械装置・システム構築費の対象から明示的に除かれています。省力化投資補助金の公募要領も同じ構造です。対象は「機械及び装置」「器具及び備品」「工具」「ソフトウェア」「電気通信施設利用権」で、「船舶」「航空機」「車両及び運搬具」は対象外です。ただし省力化投資補助金の対象外経費の一覧には、自動車等車両について「『機械及び装置』に該当するものは補助対象です」という注が付いています。小規模事業者持続化補助金も同じ考え方で、対象外経費に「自動車等車両」を挙げ、自動車・フォークリフト・キッチンカー・除雪車を名指ししています。車両の調達は融資や割賦・リースで組み立てるほうが現実的です。設備貸与制度を設けている自治体もあります。

老朽化した破砕機の入れ替えは補助対象になりますか。

単なる置き換えは対象外とされています。処理能力の向上、取り扱える品目の拡大、省人化といった変化を伴い、それを事業計画書で説明できる必要があります。同等品への更新である場合は、補助金ではなく融資での調達を検討することになります。

破砕機を入れる場合、設置許可は必ず必要ですか。

処理能力によります。廃プラスチック類の破砕施設とがれき類等の破砕施設は、いずれも1日当たりの処理能力が5トンを超える場合に許可の対象となります。閾値を下回れば設置許可は不要です。導入する機械の仕様書で処理能力を確認してください。

焼却炉の導入を補助金で考えていますが、間に合いますか。

慎重な検討が必要です。焼却施設は生活環境影響調査に加え、告示・1か月の縦覧・意見書の受付という手続きが法定されており、許可までに相当の期間を要します。補助事業実施期間内に完成と支払いまで終えられるかを、許可の見通しと突き合わせて判断することになります。許可申請は交付決定を待たずに進められるため、先行させておくことが前提になります。

当事務所の強み:経費の区分と施設の許可のスケジュールを一緒に整理

産廃・リサイクル設備に使う補助金の申請は、当事務所が許可のスケジュールの整理から申請書の作成までお引き受けします。

産廃・リサイクルの設備投資では、補助対象経費の判断と、施設の許可手続きが同時に走ります。

  • 導入する設備が「機械及び装置」に当たるか、車両及び運搬具として除かれるかを整理します
  • 機械の仕様書から処理能力を確認し、設置許可の要否と縦覧の対象になるかを判定します
  • 元化学メーカーの研究員として製造設備に関わった経験から、処理対象物の性状と設備の適合性を確認します
  • 生活環境影響調査から許可までの工程を、補助事業実施期間に収まる形で逆算します
  • 収集運搬業の許可を持つ事業者が処分業へ広げる場合、業の許可と施設の許可の両方を並行して進めます

報酬の目安とご依頼の流れは、次のページにまとめています。

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ご相談の際に、導入したい機械の種類と処理量の見込みを伺えれば、許可が要るか、縦覧の対象になるかの見当をお伝えできます。設備を選ぶ前の段階でご相談ください。

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