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特定金属くず買受業の届出|金属盗対策法の義務・手続き・罰則ガイド

銅線・銅管・太陽光発電設備の金属部品——。これらを仕入れ先から買い受ける事業者に対し、2026年6月1日から新たな届出義務が生じています。

盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(金属盗対策法)の施行です。「特定金属くず買受業」を営む者は、都道府県公安委員会への届出と、取引ごとの本人確認・記録保存が義務づけられました。

届出なしで営業を続けると、6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます(第23条)。すでに営業中の事業者でも、2026年8月31日までに届出が必要です。

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金属盗対策法の背景と規制の概要

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近年、銅線の窃盗や太陽光発電設備からの金属部品の盗難が全国的に多発しています。金属盗対策法はこうした盗難の「出口」を塞ぐ目的で制定されました。買受業者に本人確認・記録保存を義務付けることで、盗品の流通経路を追跡しやすくする仕組みです。

「特定金属くず」の定義と対象範囲

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特定金属くず」とは、主として特定金属(銅その他政令で定める金属)により構成されている金属くずをいいます(第2条第3号)。

ただし、次の2つは対象から除外されています。

  • 物品を製造する過程において生ずるもの(製造端材・ダライ粉等)
  • 古物営業法上の「古物」に該当するもの(使用済み機械・中古品等)

つまり、工場の製造工程で出る銅端材は対象外ですが、工場外から銅線・銅管などを買い受ける営業は対象になります。

「特定金属くず買受業」の定義

特定金属くず買受業」とは、特定金属くずの買受けを行う営業をいいます(第2条第4号)。「買受け」には、代金が金銭以外の場合(物物交換等)も含まれます。

古物商許可や金属くず商許可を持っていても、特定金属くずを買い受ける営業を行う場合は別途この届出が必要です。2制度は別根拠の規制です。

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届出手続きの詳細

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特定金属くず買受業を開始する前に、都道府県公安委員会へ届出書を提出します。提出のタイミング・記載事項・添付書類について整理します。

届出先と提出タイミング

届出先は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会です。提出は、管轄の警察署長を経由して行います(施行規則第1条第2項)。

届出は特定金属くず買受業を開始しようとする日の前日までに行う必要があります。開業後に遡って届け出ることはできません(施行規則第1条第2項)

複数の営業所がある場合は、営業所ごとに届出が必要です。ただし、同一の公安委員会の管轄内で同時に複数の届出を行う場合は、いずれか1つの営業所を管轄する警察署長を経由して提出できます(施行規則第1条第3項)。

届出書の記載事項と添付書類

届出書(様式第一号)に記載する事項は次のとおりです(第3条第1項・施行規則第1条第4項)。

  • 氏名または名称・住所
  • 法人の場合は代表者の氏名
  • 営業所の名称・所在地・電話番号等
  • 特定金属くずの保管場所の所在地

添付書類は次のとおりです(施行規則第1条第5項)。

  1. 営業所および特定金属くずの保管場所の平面図・周囲の略図
  2. 個人の場合:住民票の写し(本籍記載・マイナンバー省略)
  3. 法人の場合:定款・登記事項証明書・代表者の住民票の写し

同じ公安委員会の管轄内ですでに届出済みの事業者が新たな営業所を追加する場合は、平面図・略図(上記1のみ)の添付で足ります。

届出後に受け取る届出番号等

届出が受理されると、公安委員会から当該営業所を識別するための届出番号等が通知されます(第4条)。この届出番号等は、営業所の公衆の見やすい場所に表示しなければなりません(第5条第1項)。

常時使用する従業者が6名以上で、かつ自社ウェブサイトを管理している場合は、ウェブサイト上への氏名等の掲載も義務となります(第5条第2項・施行規則第3条第2項)。

届出後の継続義務

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届出が完了した後も、取引のたびに義務が発生します。業務フローへの組み込みが重要です。

本人確認の実施(第7条)

特定金属くずを買い受ける都度、相手方の本人確認が求められます。基本的な方法は、写真付き本人確認書類の提示を受ける方法です(施行規則第4条第1項第1号イ)。

  • 個人が相手方の場合:運転免許証・個人番号カード・在留カード等のうち写真付きのもの
  • 法人が相手方の場合:登記事項証明書または印鑑登録証明書(名称・所在地の記載があるもの)

ただし、代金の支払いを相手方の預貯金口座への振込みにより行う継続取引など、一定の例外があります(施行規則第6条)。

本人確認記録と取引記録の保存(第8条・第9条)

本人確認を行った場合は直ちに記録を作成し、買受けの日から3年間保存しなければなりません(第8条)。

取引ごとに作成する取引記録には次の事項が必要です(施行規則第10条)。

  • 相手方の氏名または名称
  • 買受けの日付・時刻
  • 買い受けた特定金属くずの量・特徴・価額
  • 代金の支払方法
  • 口座振込の場合は口座番号等

取引記録も買受けの日から3年間保存します(第9条第2項)。

盗難品の疑いがある場合の申告(第10条)

取引の態様から買受けに係る特定金属くずが盗難品に由来する疑いがあると認めたときは、直ちに警察官に申告しなければなりません(第10条)。

既存業者の経過措置と届出期限

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法施行前からすでに特定金属くず買受業を営んでいた事業者には経過措置があります。

附則第2条に基づき、施行日(2026年6月1日)から3月を経過する日まで、すなわち2026年8月31日までに届出を行えば、経過措置期間中は引き続き営業できます

この期間を過ぎると、無届出で営業した期間があったとみなされ、罰則の対象となるリスクがあります。経過措置を利用する場合でも、書類の準備と届出は早めに進めることが重要です。

よくある質問

Q. 製造工程で出た銅くずを社内で使い回すだけでも届出が必要ですか?

A. 買受けを行う営業に該当しない場合(自社発生の端材を自社で処理するだけの場合)は「特定金属くず買受業」に当たらないため、届出不要です。ただし、社外から銅くずを仕入れて買い受ける営業を行う場合は対象になります。判断が難しい場合は、管轄の警察署または行政書士にご確認ください。

Q. 古物商許可を持っていれば届出は不要ですか?

A. 古物営業法上の「古物」に該当する金属(使用済み機械・中古品等)は金属盗対策法の「特定金属くず」から除外されています(第2条第3号)。古物商許可の範囲内の取引のみを行う場合は届出不要です。ただし、古物に該当しない銅線・銅スクラップも同時に買い受ける場合は届出が必要です。

Q. 変更や廃止のときはいつまでに届け出ればいいですか?

A. 届出事項に変更が生じた場合は、変更の日から14日以内(登記事項の変更は20日以内)に変更届出書を提出します(施行規則第2条第2項)。営業を廃止した場合も14日以内の廃止届出書の提出が必要です。

Q. 記録はどのように保存すればいいですか?

A. 文書または電磁的記録(電子ファイル等)のいずれかで保存できます(施行規則第7条・第9条)。紙の台帳でも、PCの表計算ソフトで管理する方法でも問題ありません。取引日から3年間、いつでも内容を確認・提示できる状態で保管することが求められます。

当事務所の強み:届出から継続義務の整備まで

特定金属くず買受業の届出は書類準備が比較的シンプルですが、届出後の本人確認・記録保存の業務フロー整備が実務上の課題となります。当事務所が対応できる内容は3点あります。

  • 届出書類の作成・提出代行:添付書類の取得から届出書の作成・警察署への提出代行まで対応します
  • 本人確認・記録保存フローの設計支援:取引記録の様式作成・保管体制の確認など、届出後の継続義務への対応をサポートします
  • 古物商許可・金属くず商許可との同時対応:複数の許可・届出が必要な場合は、まとめてお受けします

届出期限が近づいている場合は、書類の準備と並行してご連絡ください。スケジュールを逆算して動きます。

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