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古物商・金属くず商許可|大阪の申請手順と2つの許可の違いを解説

廃業する工場から金属を引き取りたい。使用済みの機械や工具を買い取って転売したい。製造工程で出た金属端材を買い受けてほしい——。

このような場面で必要になるのが「古物商許可」や「金属くず商許可」です。ところが、2つの制度の違いをきちんと理解している事業者は多くありません。

金属スクラップの取り扱いは「廃棄物」「古物」「金属くず」の3つの概念が交差する複雑な領域です。許可なく営業すると、古物営業法違反(3年以下の拘禁または100万円以下の罰金)に問われるリスクがあります。早めに制度を整理しておくことが重要です。

古物商許可と金属くず商許可の基本

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2つの許可制度は、取り扱う「物の性質」で明確に区別されています。どちらの許可が必要かは、扱う金属が「古物」か「金属くず」かによって決まります。

「古物」とは何か

古物営業法(昭和24年法律第108号)第2条第1項は、「古物」を次のように定義しています。

一度使用された物品(または使用のために取引されたもの)、あるいはそれに幾分の手入れをしたもの——これが古物です。

消費者や事業者の手に渡って一度でも使用された物品はすべて古物に当たります。未使用のものでも「使用のために取引されたもの」は古物です。

製造業者に関係する品目としては、法定13品目のうち「機械工具類」(旋盤・プレス機・測定器など)と「道具類」が該当します。廃業企業から中古機械を買い受けるケースでは、古物商許可が必要です。

「金属くず」とは何か

大阪府金属くず営業条例(昭和32年大阪府条例第1号)第2条第1号は、金属くずを次のように定義しています。

「金属類で、古物営業法第2条第1項に規定する古物に該当せず、かつ、そのものの本来の生産目的に従って、売買し、交換し、加工し、又は使用されないもの」です。

言い換えると、古物に当たらない金属類が「金属くず」です。製造工程から出る金属端材、スクラップ、ダライ粉(切削くず)などが典型例です。古物か金属くずかを区別する基準は「一度使用された物品かどうか」と理解するとわかりやすいです。

どちらの許可が必要か

取り扱う金属該当する制度必要な許可
使用済み機械・工具・中古品の売買古物(古物営業法)古物商許可
製造端材・スクラップ・切削くずの売買金属くず(大阪府条例)金属くず商許可
中古品と端材の両方を扱う両方両許可が必要

産廃収集運搬業者や金属加工業者では、中古品も端材も両方扱うケースがあります。その場合は両許可の取得が求められます。

古物商許可の申請手順(大阪)

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古物商許可は都道府県公安委員会の許可です。大阪府では大阪府公安委員会(窓口は大阪府警察本部または各警察署)に申請します。

申請先と手続きの概要

古物営業法第5条に基づき、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に申請書を提出します。申請書には次の事項を記載します。

  • 氏名または名称・住所(法人は代表者氏名も記載)
  • 主たる営業所その他営業所の名称・所在地
  • 取り扱う古物に係る区分(13品目から選択)
  • 管理者の氏名・住所
  • 行商をするかどうかの別
  • インターネット取引を行うかどうかの別

取り扱う古物の区分は、法定13品目の中から選択します。金属関連であれば「機械工具類」を選択することが多いです。

主な添付書類

  • 住民票の写し(本籍記載・マイナンバー省略)
  • 身分証明書(市区町村発行・破産・禁治産の記載がないもの)
  • 誓約書
  • 略歴書
  • 法人の場合は登記事項証明書・定款・役員全員分の上記書類

欠格事由の確認

拘禁刑以上の刑に処せられた日から5年を経過しない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、暴力団員などは許可を受けられません(古物営業法第4条)。法人では役員全員が欠格事由に該当しないことが必要です。

金属くず商許可の申請手順(大阪)

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金属くず商許可は、大阪府金属くず営業条例(昭和32年大阪府条例第1号)に基づく許可です。許可権者は大阪府公安委員会です。

申請先と手続きの概要

条例第3条に基づき、次の事項を記載した申請書を公安委員会に提出します。

  • 氏名・生年月日・住所(法人は名称・主たる事務所の所在地・役員の氏名等)
  • 営業所の名称・所在地
  • 管理者の氏名・生年月日・住所

許可を受けると「金属くず業許可証」が交付されます(条例第5条)。

許可の基準

条例第4条は、次に該当しない者には許可をしなければならないと定めています。

  • 窃盗・横領などの罪を犯して刑に処せられ、その執行終了から1年を経過しない者
  • 古物営業法違反で刑に処せられ、6カ月を経過しない者
  • 未成年者(営業について成年者と同一の行為能力を有する者を除く)
  • 法人の場合、役員のいずれかが上記に該当するもの

許可後の変更・届出義務

許可証の記載事項に変更があった場合は、変更日から10日以内(登記事項は20日以内)に書換申請が必要です(条例第6条)。変更の把握と対応が遅れると無許可営業状態になるリスクがあります。

製造業者・廃棄物処理業者が直面しやすい落とし穴

制度を理解したうえで、実務でよく見落とされる2点をお伝えします。

「産廃として処理すれば許可は不要」という誤解

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金属スクラップを廃棄物として処理するだけなら廃棄物処理法が適用されます。しかし、買い受けや売却が伴う場合は、産廃許可だけでは足りません。売買行為が発生する時点で古物商許可または金属くず商許可が必要になります。

産廃収集運搬業許可を持っている業者でも、回収した金属を転売するなら別途許可の取得が求められます。産廃業を営む会社が金属くず商許可を取るケースは珍しくありません。

令和7年に成立した新法「特定金属くず買受業」規制

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盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(令和7年法律第75号)が成立しました。銅線など特定金属くずを買い受ける「特定金属くず買受業」を営む者に対し、相手方の本人確認・記録保存などの義務を課する内容です(第2条第4号)。

2026年6月に施行され、既存の金属くず商も対象になる見通しです。施行前に業務フローを整備しておくことをお勧めします。

よくある質問

Q. 金属くず商許可は大阪府内全域で有効ですか?

A. 大阪府金属くず営業条例に基づく許可のため、効力は大阪府内に限られます。他府県での営業を予定している場合は、その都道府県の条例に基づく許可を別途取得する必要があります。なお、金属くず商許可は都道府県ごとに条例が異なります。

Q. 古物商許可と金属くず商許可は同じ窓口で申請できますか?

A. どちらも大阪府公安委員会が許可権者ですが、担当窓口が異なる場合があります。事前に管轄の警察署にご確認のうえ申請することをお勧めします。

Q. 産廃・古物商・金属くず商の3つを同時に申請できますか?

A. 産廃収集運搬業は大阪府知事(または政令市長等)、古物商・金属くず商は公安委員会と申請先が異なります。同時並行での申請は可能です。書類の準備を一元管理することで、手続きを効率化できます。

当事務所の強み:産廃・古物・金属くず商の3点セット対応

金属関連事業を始める際、産廃収集運搬業・古物商許可・金属くず商許可の3つをまとめて取得するケースは珍しくありません。当事務所が選ばれる理由は3点あります。

  • 現場感のある法的判断:化学メーカー研究職13年の経験から、廃棄物の物理化学的性状・分類・該非判定を実務目線で把握しています。どの許可が必要かの判断段階からサポートします
  • 3許可の一括対応:産廃・古物商・金属くず商の3許可を一括してお受けするため、書類の重複確認やスケジュール管理の手間を省けます
  • 全国対応・初回無料:初回相談は無料・オンライン対応のため、大阪府以外の事業者もご相談いただけます

「許可が必要かどうか確認したい」という段階からのご相談を承ります。

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行政書士
高橋 光
技術がわかる理系の行政書士。化粧品・産廃・危険物などの許認可から、化審法・安衛法など化学物質規制対応、設備投資の補助金までワンストップ支援。
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