古物商・金属くず商許可と特定金属くず買受業届出|大阪の申請手順ガイド
※本記事は執筆当時の情報に基づきます。法改正等により現在の内容と異なる場合がありますので、実際の運用にあたっては必ず最新の法令をご確認ください。
廃業する工場から金属を引き取りたい。使用済みの機械や工具を買い取って転売したい。製造工程で出た金属端材を買い受けてほしい——。
このような場面で必要になるのが「古物商許可」や「金属くず商許可」です。さらに2026年6月には「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(金属盗対策法)が施行され、銅などの特定金属くずを買い受ける事業者には新たに届出義務が加わりました。
金属スクラップの取り扱いは「廃棄物」「古物」「金属くず」の3つの概念が交差する複雑な領域です。許可・届出なく営業すると、古物営業法違反(3年以下の拘禁または100万円以下の罰金)に問われるリスクがあります。早めに制度を整理しておくことが重要です。
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金属スクラップ取引に関わる3つの制度
金属関連の取引には、古物商許可・金属くず商許可・特定金属くず買受業届出の3制度があります。それぞれ規制の根拠法・対象・手続きが異なります。
「古物」とは何か
古物営業法(昭和24年法律第108号)第2条第1項は、「古物」を次のように定義しています。
一度使用された物品(または使用のために取引されたもの)、あるいはそれに幾分の手入れをしたもの——これが古物です。
消費者や事業者の手に渡って一度でも使用された物品はすべて古物に当たります。未使用のものでも「使用のために取引されたもの」は古物です。
製造業者に関係する品目としては、法定13品目のうち「機械工具類」(旋盤・プレス機・測定器など)と「道具類」が該当します。廃業企業から中古機械を買い受けるケースでは、古物商許可が必要です。
「金属くず」とは何か
大阪府金属くず営業条例(昭和32年大阪府条例第1号)第2条第1号は、金属くずを次のように定義しています。
「金属類で、古物営業法第2条第1項に規定する古物に該当せず、かつ、そのものの本来の生産目的に従って、売買し、交換し、加工し、又は使用されないもの」です。
言い換えると、古物に当たらない金属類が「金属くず」です。製造工程から出る金属端材、スクラップ、ダライ粉(切削くず)などが典型例です。未使用でも使用のために取引されたものは古物に当たるため、古物か金属くずかを区別する基準は「一度使用された物品かどうか」だけではありません。
どの手続きが必要か判断する
取り扱う金属の種類によって必要な手続きが変わります。複数に該当する場合は、すべての手続きが必要です。
| 取り扱う金属 | 必要な手続き |
|---|---|
| 使用済み機械・工具・中古品の売買 | 古物商許可 |
| 製造端材・スクラップ・切削くずの売買 | 金属くず商許可 |
| 銅・特定金属くずの買受け | 特定金属くず買受業届出 |
| 中古品と端材の両方を扱う | 古物商許可+金属くず商許可 |
産廃収集運搬業者や金属加工業者では、中古品も端材も両方扱うケースがあります。その場合は両許可の取得が求められます。
古物商許可の申請手順(大阪)
古物商許可は都道府県公安委員会の許可です。大阪府では大阪府公安委員会(窓口は主たる営業所の所在地を管轄する警察署)に申請します。
申請先と記載事項
古物営業法第5条に基づき、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に申請書を提出します。申請書には次の事項を記載します。
- 氏名または名称・住所(法人は代表者氏名も記載)
- 主たる営業所その他営業所の名称・所在地
- 取り扱う古物に係る区分(13品目から選択)
- 管理者の氏名・住所
- 行商をするかどうかの別
- インターネット取引を行うかどうかの別
取り扱う古物の区分は、法定13品目の中から選択します。
主な添付書類
- 住民票の写し(本籍記載・マイナンバー省略)
- 身分証明書(市区町村発行・破産・禁治産の記載がないもの)
- 誓約書
- 略歴書
- 法人の場合は登記事項証明書・定款・役員全員分の上記書類
欠格事由の確認
拘禁刑以上の刑に処せられた日から5年を経過しない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、暴力団員などは許可を受けられません(古物営業法第4条)。法人では役員全員が欠格事由に該当しないことが必要です。
金属くず商許可の申請手順(大阪)
金属くず商許可は、大阪府金属くず営業条例(昭和32年大阪府条例第1号)に基づく許可です。許可権者は大阪府公安委員会です。
申請先と記載事項
条例第3条に基づき、次の事項を記載した申請書を公安委員会に提出します。
- 氏名・生年月日・住所(法人は名称・主たる事務所の所在地・役員の氏名等)
- 営業所の名称・所在地
- 管理者の氏名・生年月日・住所
許可を受けると「金属くず業許可証」が交付されます(条例第5条)。
許可基準の確認
条例第4条は、次に該当しない者には許可をしなければならないと定めています。
- 窃盗・強盗の罪や盗品等に関する罪(刑法第2編第36章・第39章)を犯して刑に処せられ、その執行終了から1年を経過しない者
- 古物営業法違反で刑に処せられ、6カ月を経過しない者
- 未成年者(営業について成年者と同一の行為能力を有する者を除く)
- 法人の場合、役員のいずれかが上記に該当するもの
許可後の変更届出義務
許可証の記載事項に変更があった場合は、変更日から10日以内(登記事項は20日以内)に書換申請が必要です(条例第6条)。
特定金属くず買受業の届出義務(2026年6月施行)
2026年6月1日、金属盗対策法が施行されました。銅など特定金属くずを買い受けるすべての事業者が届出対象となります。古物商許可や金属くず商許可を持っていても、この届出は別途必要です。
届出が必要な業者の範囲
「特定金属くず買受業」とは、特定金属くずの買受け(対価として金銭以外の財産上の利益を提供する場合を含む)を行う営業をいいます(第2条第4号)。「特定金属くず」とは、主として特定金属(銅その他政令で定める金属)により構成されている金属くずのことです。ただし、製造過程で生じる端材や古物に該当するものは除外されます(第2条第3号)。
銅線・銅管・太陽光発電設備の銅部品などを仕入れ先から買い受けている事業者は、届出が必要です。
届出の期限と届出後の義務
届出は、特定金属くず買受業を開始しようとする日の前日までに、営業所を管轄する警察署長を経由して行います(第3条第1項・施行規則第1条第2項)。届出をしないで営業した場合、6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科の対象となります(第23条第1号)
届出の後も、買受けのたびに相手方の本人確認を行い、本人確認と取引の記録を作成して3年間保存する義務が続きます(第7条〜第9条)。提出書類と、届出後の義務の具体的な内容は、届出の専用記事にまとめています。

製造業者・廃棄物処理業者が直面しやすい落とし穴
制度を理解したうえで、実務でよく見落とされる点を2つお伝えします。
「産廃として処理すれば許可は不要」という誤解
金属スクラップを廃棄物として処理するだけなら廃棄物処理法が適用されます。しかし、買い受けや売却が伴う場合は、産廃許可だけでは足りません。古物に当たる物を業として買い受けて売るなら古物商許可、営業所を設けて金属くずを業として売買するなら大阪府では金属くず商の許可(大阪府金属くず営業条例第3条)が必要です。
産廃収集運搬業許可を持っている業者でも、回収した金属を転売するなら別途許可の取得が求められます。
「古物商許可があれば届出不要」という誤解
古物営業法上の古物に該当する金属(使用済み機械・中古品)は、金属盗対策法の「特定金属くず」から除外されています(第2条第3号)。そのため、古物商許可で扱う商品のみを取引する場合は届出不要です。
しかし、古物に該当しない銅線・銅スクラップなども同時に買い受ける場合は、古物商許可とは別に届出が必要です。
よくある質問
特定金属くず買受業の届出は、大阪府内全域を1件で対応できますか?
届出は営業所ごとに行います。大阪府内に複数の営業所がある場合は、各営業所について同じ公安委員会(大阪府公安委員会)に届け出ます。ただし同時に複数の営業所を届け出る場合は、いずれか1つの営業所を管轄する警察署長を経由して提出できます(施行規則第1条第3項)。
変更・廃止の場合はいつまでに届け出ればいいですか?
変更が生じた場合は変更の日から14日以内(登記事項の変更は20日以内)に変更届出書を提出する必要があります(施行規則第2条第2項)。廃止の場合も同じく14日以内に廃止届出書を提出します。
金属くず商許可と特定金属くず買受業届出は同じ窓口で手続きできますか?
どちらも都道府県公安委員会が相手先ですが、担当窓口が異なる場合があります。金属くず商許可も特定金属くず買受業届出も警察署を経由して出しますが、様式と添付書類が異なります。同時並行で準備を進めることで、書類取得の手間を最小化できます。
産廃・古物商・金属くず商の3つを同時に申請できますか?
産廃収集運搬業は大阪府知事(または政令市長等)、古物商・金属くず商は公安委員会と申請先が異なります。同時並行での申請は可能です。書類の準備を一元管理することで、手続きを効率化できます。
当事務所の強み:3許可+届出の一括対応
古物商・金属くず商の許可と特定金属くず買受業の届出は、当事務所が必要な手続きの整理から申請書類の作成・提出までお引き受けします。
金属関連事業を始める際、産廃収集運搬業・古物商許可・金属くず商許可・特定金属くず買受業届出が重なることがあります。当事務所が選ばれる理由は3点あります。
- 現場感のある法的判断:元化学メーカー研究員として廃棄物の物理化学的性状・分類・該非判定を実務目線で把握しています。どの許可・届出が必要かの判断段階からサポートします
- 3許可+届出の一括対応:産廃・古物商・金属くず商・特定金属くず買受業届出を一括してお受けするため、書類の重複確認やスケジュール管理の手間を省けます
- 全国対応・初回無料:初回相談は無料・オンライン対応のため、大阪府以外の事業者もご相談いただけます
報酬の目安とご依頼の流れは、次のページにまとめています。

ご相談の際に、今お持ちの許可(産廃許可・古物商許可など)と始めたい取引を伺えれば、追加で要る手続きをご案内します。

