化審法 低懸念高分子(PLC)事前確認申出|一回の確認で届出免除と名称非公示を両立

化審法 低懸念高分子(PLC)事前確認申出|一回の確認で届出免除と名称非公示を両立

ポリマー(高分子化合物)の新規品を製造・輸入する際、化審法(化学物質審査規制法)の届出が必要になるかは、まず確かめておきたい点です。通常届出では毒性試験のデータが必要になりますが、化審法第3条第1項第6号に基づく「低懸念高分子(PLC)事前確認申出」を活用すれば、その負担を大幅に軽減できます。

PLCとは「Polymer of Low Concern(低懸念ポリマー)」の略称です。PLCの要件に該当するかどうかは、化合物の構造や物理化学的性状から専門的に判断する必要があります。

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低懸念高分子(PLC)事前確認申出とは

化審法第3条第1項第6号は、高分子化合物であって3省大臣が定める基準(低懸念基準)に該当する新規化学物質について、確認を受けることで通常届出を免除する制度を定めています。

PLC確認申出は物質の性格を確認する手続きのため、一度確認を受ければ以降は毎年の申出が不要です。製造数量の上限もなく、物質名は官報に公示されません。

PLCの申出で示す項目

申出では、高分子フロースキームと同等の試験の結果などを、申出書の別紙で示します(3省「化審法第3条第1項第6号に係る高分子化合物事前確認申出書の作成・提出等について」令和8年5月11日改訂)。

​申出書の別紙で示す項目
  • 純度と不純物:試験サンプルの純度、不純物とその含有量
  • 単量体:構成する単量体の名称・官報公示整理番号、モル比・重量比
  • 安定性:物理化学的安定性試験、酸・アルカリへの溶解試験の結果
  • 溶解性:水・有機溶媒への溶解性試験の結果
  • 分子量:分子量分布、分子量1,000未満の成分の含有量
  • 懸念官能基:懸念官能基等の有無

他の特例制度との比較

比較項目PLC事前確認少量新規(毎年)通常新規届出
根拠条文第3条第1項第6号第3条第1項第5号第3条第1項
対象高分子化合物のみ全物質全物質
毒性試験不要不要必要
審査期間通常届出より大幅に短い毎年申出(短期)三月以内(法定)
数量制限なし年間1t以下なし
名称公示なしなし(非公示)5年後に公示
申出頻度一回限り毎年一回限り

長期的に大量製造を予定している高分子化合物では、毎年申出が必要な少量新規と違い、PLC確認は数量の上限がなく、毎年の申出も要りません。

PLC事前確認申出の手続きフロー

PLC申出は少量新規(年度ごとの特定受付期間)とは異なり、随時受付です。確認通知は通常届出(法定三月以内)より短期間で届くとされています。書類に不備があると修正を求められるため、正式提出前に申出書案の事前チェックを受けることが推奨されています。

申出前の事前チェック(メール)

正式提出の前に、申出書案および申出書別紙の電子ファイルを経済産業省のメールアドレス(bzl-kashinhou-plc@meti.go.jp)に送付し、事前チェックを受けることが手引きで定められています。メール本文には申出化学物質名称・申出者名・担当者名・担当者連絡先を記載し、添付ファイルにはパスワードを設定します。

申出書類の構成

PLC事前確認申出の提出書類は、申出書本体(様式第10)と申出書別紙の2種類で構成されます。

申出書本体には、新規化学物質の名称・構造式・数平均分子量・重量平均分子量・単量体単位のモル比及び重量比・外観・用途・純度及び不純物などを記載します。

申出書別紙(1)〜(6)には、確認基準への適合を示す試験データを記載します。

  • 別紙(1):試験サンプルの純度、不純物及びその含有量
  • 別紙(2):試験サンプルを構成する単量体の名称及び官報公示整理番号等、単量体単位のモル比及び重量比
  • 別紙(3):物理化学的安定性試験結果、酸・アルカリ溶解試験結果
  • 別紙(4):水・有機溶媒溶解性試験結果
  • 別紙(5):分子量分布、分子量1,000未満成分の含有量等
  • 別紙(6):懸念官能基等の有無

別紙の作成には高分子化学の専門的な知識が求められます。特に別紙(3)(4)(5)は試験機関が発行する試験成績書をもとに記載するため、試験計画の段階から申出書の様式を確認しながら進める必要があります。

提出方法・審査期間

事前チェック完了後、申出書3部・申出書別紙3部・返信用封筒を郵送で提出します(経済産業省 産業保安・安全グループ 化学物質管理課 化学物質安全室 審査班)。確認通知は正式受理後に届きます。

よくある質問

自社の高分子化合物がPLCに該当するかどうか、どうすれば判断できますか?

数平均分子量・溶解性・官能基の有無などの物理化学的データを揃えた上で、判定基準との照合を行うことが最も確実です。当事務所では、SDS・合成経路・物性データをもとにPLC該当性の初期診断をサポートします。

PLC確認取得後、製造数量を大幅に増やしても問題ないですか?

PLCには数量上限がないため、確認取得後の製造数量増加について再申出は不要です。ただし用途や構造を大幅に変更した場合は、改めて確認が必要になる場合があります。

通常届出のように審議会で審議されますか?

通常の新規届出(第3条第1項)に伴う審査(第4条)では化学物質審議会への意見聴取が義務付けられていますが(第56条第1項第3号)、PLC事前確認申出(第3条第1項第6号)では審議会の関与はなく、3省が申出の内容を確認します。

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当事務所の強み:高分子化学の専門知識による申出支援

低懸念高分子(PLC)の事前確認申出は、当事務所が基準の確認から申出書類の作成までお引き受けします。

PLC申出の書類作成には、有機化学・高分子化学の専門的な知識が不可欠です。

  • 別紙(1)〜(6)の作成支援:元化学メーカー研究員として高分子材料の研究開発に携わった経験から、分子量分布・溶解性・官能基の化学的解釈を正確に行い、別紙(1)〜(6)の作成を支援します
  • 技術情報の秘匿:物質名が官報に公示されないため、未発表の化学物質に関する技術情報の秘匿にも有効です
  • 守秘義務による保護:行政書士法に基づく守秘義務により、機密性の高い物性データや合成情報を適切に保護します

報酬の目安とご依頼の流れは、次のページにまとめています。

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