業務用エアコンのフロン点検義務|管理者が果たすべき4つの措置と漏えい報告

業務用エアコンのフロン点検義務|管理者が果たすべき4つの措置と漏えい報告

業務用エアコン・業務用冷凍冷蔵機器を使用している事業者は、フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)上の「管理者」として、点検・記録・修理・報告の義務を負います。

充填回収業者への登録義務とは別に、機器を「使用する側の事業者」にも明確な義務があります。工場・事業所に業務用エアコンが1台でもあれば、管理者として点検記録を保持する必要があります。記録を怠った場合や報告義務を無視した場合は、行政からの勧告・命令の対象となる可能性があります。

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フロン管理者の定義と対象機器

フロン排出抑制法第二条第八項では、管理者を「フロン類使用製品の所有者その他フロン類使用製品の使用等を管理する責任を有する者」と定義しています。

オフィスビルや工場で使用している業務用エアコン・冷凍冷蔵機器の所有者またはリース使用者(管理責任を負う立場の者)が、管理者に当たります。

対象機器の範囲

第一種特定製品と呼ばれる以下の機器が対象です。

  • 業務用エアコンディショナー(業務用として製造・販売されたもの)
  • 業務用冷蔵機器・冷凍機器(業務用冷蔵ショーケース・冷凍機等)

家庭用エアコン(一般消費者向け製品)は対象外です。オフィス・店舗・工場に設置された業務用機器が該当します。

管理者の4つの義務

フロン排出抑制法では、管理者が果たすべき措置を4つの場面に分けて規定しています。

使用時の点検義務

機器の使用中は定期的な点検の実施と記録の保存が義務です。

​点検の頻度
  • 簡易点検:目視確認による異常チェック。すべての機器を対象に3ヶ月に1回以上実施します(管理者の判断の基準 第二第1(1))
  • 定期点検:フロン類と機器の専門点検の方法について十分な知見を有する者が、自ら行うか立ち会って行う点検(管理者の判断の基準 第二第2)。圧縮機の電動機定格出力7.5kW以上の機器に義務付けられており(管理者の判断の基準 別表2)、規模に応じて1年に1回または3年に1回以上実施します(管理者の判断の基準 第二第2(1)・別表2)

点検記録は帳簿として保存し、機器の廃棄等を行いフロン類の引渡しを完了した日から3年間保管する義務があります(管理者の判断の基準 第四第1)。

整備時の回収確認義務

機器の整備でフロン類の回収が必要なときは、整備を行う者(第一種特定製品整備者)が第一種フロン類充填回収業者に回収を委託します(法第39条第1項)。管理者は、点検・整備の内容を記録簿に記載し、保存します(管理者の判断の基準 第四)。

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廃棄時の確認義務

機器を廃棄する際は、第一種フロン類充填回収業者にフロン類の回収を委託し、引取証明書を受け取って保存します。廃棄時の確認なしに機器を処分することは、フロン排出抑制法違反の対象となりえます。

漏えい量の報告義務

フロン排出抑制法第十九条第一項に基づき、フロン類算定漏えい量が相当程度多い事業者は、毎年度、事業所管大臣に漏えい量を報告する義務があります。報告が義務付けられる閾値は年間算定漏えい量が千トン以上(CO2換算・GWP乗算後の量)であり(フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令第三条)、報告期限は毎年度7月末日です(同命令第四条第一項)。

機器台帳の作成と記録の保存

管理者は保有するすべての第一種特定製品の台帳を作成し、以下を記録・保存します。

  • 機器の種類・能力・設置場所
  • 圧縮機の電動機定格出力(定期点検の要否の判断に使用)
  • 充填されているフロン類の種類と量
  • 点検実施日・結果・措置内容
  • 整備・充填・廃棄の履歴

記録の保存期間は、機器の廃棄等を行いフロン類の引渡しを完了した日から3年間です(管理者の判断の基準 第四第1)。廃棄時にフロン回収が適切に行われたことを証明するためにも、台帳の継続的な整備が重要です。

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よくある質問

定期点検の頻度は機器の規模によって変わりますか?

圧縮機の電動機の定格出力が7.5kW未満の機器は、法定の定期点検義務の対象外です(簡易点検は必要です)。7.5kW以上の機器は定期点検が義務付けられており(管理者の判断の基準 別表2)、出力規模に応じて1年または3年に1回以上の頻度が定められています(管理者の判断の基準 第二第2(1)・別表2)。機器のカタログや銘板の「圧縮機モータ出力」で確認してください。

テナントとして入居している場合、管理者はテナントとオーナーのどちらですか?

管理者は、原則として機器の所有者です。ただし、契約書等の書面で保守・修繕の責務を所有者以外が負うとされているリース契約等では、その責務を負う者が管理者になります(環境省・経済産業省「第一種特定製品の管理者等に関する運用の手引き」第3版)。テナントの場合は、まず機器の所有者を確かめ、どちらが管理者か不明確なときは、オーナーとの契約を相互に確認して明確にしておくことが求められています(同手引き)。

点検記録はどのくらいの期間保存が必要ですか?

機器の廃棄等を行いフロン類の引渡しを完了した日から3年間の保存が義務付けられています(管理者の判断の基準 第四第1)。記録は紙・電子のどちらの形式でも構いません(運用の手引き)。

当事務所の強み:管理者の義務の整理から漏えい量の報告まで

フロンの管理者の義務への対応は、当事務所が義務の整理から機器台帳の整備、漏えい量の報告までお引き受けします。

フロン類の充填回収業者の登録申請だけでなく、管理者側の点検義務・記録保存・漏えい報告についても、元化学メーカー研究員として冷媒設備の管理に携わってきた経験をもとにアドバイスが可能です。第一種フロン類充填回収業者の登録支援と合わせて、フロン管理に関わる手続きをまとめて対応します。

  • フロン管理者としての義務内容の整理・コンサルティング
  • 機器台帳フォーマットの作成支援
  • 漏えい量報告の要否確認・手続きサポート

ご相談の際に、業務用エアコン・冷凍機の台数と出力のおおよそを伺えれば、点検義務の有無と今後のスケジュールの見当をお伝えできます。ご連絡ください。

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