iryokiki-hanbai-kyoka-0

カラコン・脱毛器・マッサージ器の販売許可|EC・サロン事業者の届出ガイド

「ECサイトでカラコンを扱いたい」「サロンでお客様に気に入った脱毛器を物販したい」——そうした場面で、薬機法上の手続きが必要かどうか把握していないEC事業者やサロンオーナーは少なくありません。

これらの商品は一見すると美容グッズや健康グッズですが、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)が定める「医療機器」に該当する場合があります。許可や届出なしに販売すると、無許可営業として行政処分の対象となるリスクがあります。

「仕入れて転売するだけ」であっても販売業者として手続きが求められます。ヘアサロンやエステでの物販も例外ではありません。EC・サロン物販で特に見落とされやすい商品の判定と手続きを整理します。

EC・サロン物販で見落とされやすい理由

iryokiki-hanbai-kyoka-1

薬機法の規制対象かどうかは商品の「見た目」では判断できません。厚生労働省の承認・認証の有無や、特定の医療機器への指定があるかどうかで決まります。

EC事業者やサロンオーナーが「コスメ」「美容家電」「健康グッズ」として認識している商品の中に、薬機法上の医療機器が混在しています。市場には医療機器承認を受けた製品とそうでない製品が同じカテゴリで流通しており、仕入れ元ごとに確認が必要です。

また、医療機器に該当しない商品であっても、「痩身効果」「医師推奨」「永久脱毛」などの表現は薬機法・景表法に抵触するおそれがあります。許可・届出の問題と、広告表現の問題は別個に確認が必要です。

関連記事
薬機法・景表法 広告NG表現と言い換え方|化粧品・健康食品の違反事例
薬機法・景表法 広告NG表現と言い換え方|化粧品・健康食品の違反事例

要注意商品の判定:許可・届出が必要なケース

iryokiki-hanbai-kyoka-2

EC・サロン物販で扱う機会が多い商品を中心に、手続きの要否を整理します。商品名が同じでも承認状況によって分類が変わるため、仕入れ元に薬機法上の区分を書面で確認することを推奨します。

カラコン(度なし・カラーコンタクトレンズ)

EC・サロン物販で最も盲点になりやすい商品の一つです。

度なしのカラーコンタクトレンズは「指定視力補正用レンズ等」として高度管理医療機器に指定されています。視力矯正機能がなく、装飾目的のみの商品であっても対象です。

販売・貸与には高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可(法第39条)が必要です。ECサイトでの販売・店舗での物販・ヘアサロンでの扱いを問わず、許可なしの販売は薬機法違反となるおそれがあります。

家庭用脱毛器・光脱毛器

「美容家電」として市販される脱毛器の中には、管理医療機器(クラスII)として承認を受けている製品があります。承認品を販売する場合は管理医療機器販売業・貸与業の届出(法第39条の3)が必要です。

医療機器の承認を受けていない製品(「美容機器」として流通するもの)は届出不要ですが、「永久脱毛」「医療効果」などの表現は避ける必要があります。仕入れ元から薬機法上の区分を書面で取り寄せてから販売開始することを推奨します。

美顔器・EMS機器

EMS(電気筋肉刺激)や微弱電流を使う美顔器・ボディケア機器が、家庭用電気治療器として管理医療機器(特定管理医療機器)に該当する場合があります。該当製品の販売には届出が必要です。

一方、LED照射のみ・イオン導入のみなど電気刺激を伴わない美顔器は、医療機器に該当しないことが多く届出不要です。エステやサロンで物販として取り扱う際も、機種ごとに区分を確認してください。

マッサージ器・筋膜リリースガン

振動マッサージ機能のみを持つ製品は「家庭用マッサージ器」として管理医療機器(指定家庭用管理医療機器)に分類されます。このカテゴリは「管理医療機器販売業・貸与業の届出」が必要ですが、有資格者である「管理者の設置」は免除されているため、届出を行えば比較的容易に取り扱いを開始できます。

ただし、EMS機能が加わっている家庭用電気治療器(特定管理医療機器)などに該当する場合は、届出に加えて「管理者の設置」も必須になります。商品パッケージや仕入れ書類で機能と分類を必ず確認してください。

パルスオキシメータ

特定保守管理医療機器に該当するため、クラス分類にかかわらず販売・貸与には許可が必要です(法第39条)。ECサイトでの販売にも許可が必要とされています。

補聴器・家庭用血圧計

補聴器は管理医療機器(特定管理医療機器)として、家庭用血圧計は管理医療機器(クラスII)として、いずれも販売・貸与には届出が必要です。

電子体温計については薬機法施行令附則の規定により届出不要とされている経緯がありますが、販売前に最新の規制状況を確認することを推奨します。

薬機法の分類と手続きの全体像

必要な手続きは商品のクラス分類によって3段階に分かれます。

クラス分類名主な商品例必要手続き
クラスI一般医療機器絆創膏・ピンセット不要
クラスII管理医療機器家庭用血圧計・補聴器・脱毛器(承認品)・マッサージ器届出(管理者不要な機種あり)
クラスIII・IV高度管理医療機器カラコン・ペースメーカー許可
区分なし特定保守管理医療機器パルスオキシメータ許可

管理医療機器の中でも、家庭用マッサージ器・磁気治療器・アルカリイオン整水器などの「指定家庭用管理医療機器」については管理者の設置が不要とされています(※販売業の届出自体は必要です)。一方、補聴器・家庭用電気治療器など「特定管理医療機器」は届出と管理者の設置が両方必要です。

高度管理医療機器等販売業・貸与業許可の申請手続き

iryokiki-hanbai-kyoka-4

許可が必要な商品(カラコン・パルスオキシメータ等)を販売・貸与する場合は、営業所を管轄する都道府県知事または保健所設置市の市長に申請します。

大阪市:医療機器販売業・貸与業に係る各種申請・届出等について

主な申請書類

大阪市の場合(令和7年4月版手引きによる)。

  • 高度管理医療機器等販売業・貸与業許可申請書(様式第八十七) 2部
  • 付近見取り図・営業所平面図
  • 登記事項証明書(法人・申請日前6か月以内のもの)
  • 管理者の雇用契約書(常勤を確認できるもの)
  • 管理者の資格証明書(基礎講習修了証等)

申請先(大阪市):大阪市健康局生活衛生部生活衛生課(薬務指導グループ)

申請手数料(大阪市)は新規許可29,000円、更新11,000円です。自治体によって異なります。

ECサイト専業の場合も、法人・個人事業主の所在地の自治体に申請します。物理的な店舗がない場合でも、営業所に保管設備を設けることが求められます。

許可後の主な遵守事項

許可取得後も継続的な義務があります(令和7年4月版手引きによる)。

  • 許可証の掲示:営業所の見やすい場所に掲示すること(規則第178条)
  • 管理者の継続的研修:毎年度受講させること(規則第168条)
  • 帳簿の備え付けと保存:管理・品質確保・苦情処理等の記録を最終記載から6年間保存(規則第164条)
  • 購入等の記録:購入・販売の記録を書面で作成し3年間保存。特定保守管理医療機器は15年間(規則第173条)
  • 変更届:氏名・住所・管理者・構造設備等の変更は30日以内に届出(規則第174条)
  • 中古品の販売:使用済み高度管理医療機器を販売する際は、製造販売業者への事前通知が必要(規則第170条)
  • 営業所の移転・法人成り・全面改装は変更届ではなく新たな許可取得が必要

更新

許可の有効期間は6年です(法第39条第4項)。期限を過ぎると許可が失効するため、余裕を持って更新申請を進めることを推奨します。

管理医療機器販売業・貸与業届出の手続き

届出が必要な商品(補聴器・家庭用血圧計等)を販売・貸与する場合は、法第39条の3に基づき、営業所の管轄自治体に届け出ます。届出書類は管理医療機器販売業・貸与業届書(様式第八十八)2部が基本です。申請手数料はかかりません。

届出は営業開始前に行うことが求められます。

管理者の要件と基礎講習

許可・届出のいずれも、営業所ごとに管理者の選任が必要です(指定家庭用管理医療機器等を除く)。

管理者の資格要件

区分従事年数の目安基礎講習
高度管理医療機器(一般)3年以上修了必要
高度管理医療機器(カラコンのみ取り扱い)1年以上修了必要
特定管理医療機器(補聴器・家庭用電気治療器)1年以上修了必要

基礎講習は、公益財団法人医療機器センター・一般社団法人日本ホームヘルス機器協会・公益財団法人総合健康推進財団が実施しています。申請前に修了証を取得しておく必要があるため、早めの受講手続きを推奨します。

よくある質問

Q. 自社ECサイトでカラコンを販売したい。店舗がなくても許可が必要ですか?

A. はい、必要です。通信販売であっても許可が求められます。法人・個人事業主の所在地を管轄する自治体に申請します。ECサイト専業であっても営業所に保管設備を設ける必要があります。

Q. ヘアサロンで気に入ったマッサージ器をお客様向けに物販したい場合も手続きが必要ですか?

A. 商品によります。振動のみの家庭用マッサージ器は、有資格者の配置(管理者の設置)は不要ですが、管轄自治体への届出は必要です。また、EMS機能付きの「家庭用電気治療器」に該当する場合は、届出に加えて管理者の設置も必要になります。まず取り扱い予定の商品が医療機器として承認を受けているかどうかを製造元・仕入れ元に確認してください。

Q. 仕入れた商品が医療機器かどうか、どこで確認できますか?

A. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「医療機器 情報検索」サイトで検索できます。仕入れ元に「薬機法上の分類やJMDNコードを書面で教えてください」と依頼することも有効です。分類が不明なまま販売を開始すると、後から行政指導の対象になるリスクがあります。

当事務所の強み:医療機器販売許可・届出の実務サポート

iryokiki-hanbai-kyoka-5

薬機法に基づく許認可を専門領域として取り扱っています。化粧品製造販売業・製造業許可や医薬部外品の許可申請など、同じ薬機法の枠組みにある手続きにも対応しており、医療機器の許可・届出にもその知識を活かしています。

  • 取り扱い商品が許可・届出・不要のどれに当たるかの判断
  • 高度管理医療機器等販売業・貸与業許可申請書の作成・提出代行
  • 管理医療機器販売業・貸与業届書の作成・提出代行
  • 管理者の基礎講習スケジュール確認・申請全体のスケジュール調整
  • 商品ページ・販促物の薬機法・景表法上の広告表現確認

販売予定の商品リストをお送りいただければ、許可・届出の要否を確認してご案内します。開業・新商品追加の前にご連絡ください。

PAGE TOP