sanpai-henko-0

産廃収集運搬業許可の変更手続き|品目追加・車両変更・役員変更の方法

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得した後も、事業内容の変化に応じて変更手続きが必要になる場面があります。取り扱う廃棄物の種類を増やしたい、車両を追加したい、役員が変わった…そのたびに必要な手続きの種類・期限・書類は異なります。

sanpai-henko-1

変更許可を取らずに品目を追加した場合、無許可営業と同様の扱いになります。廃棄物処理法第25条に基づく5年以下の拘禁・1,000万円以下の罰金(法人の場合3億円以下の罰金)の対象です。変更届出(車両・役員・住所等)の期限を守らなかった場合は、第30条に基づく30万円以下の罰金の対象となります。罰金刑は刑事罰であり、廃棄物処理法違反による罰金刑を受けると欠格要件に該当し、許可取消しの対象となります。

本記事では、産廃収集運搬業の変更手続きを「変更許可申請」と「変更届出」に分けて整理し、それぞれの対象ケース・期限・必要書類を解説します。

変更手続きの2種類

sanpai-henko-2

産廃収集運搬業許可の変更手続きには、「事前に許可が必要なもの」と「事後に届け出るもの」の2種類があります。どちらに該当するかを最初に判断することが重要です。

手続き種別内容タイミング
事業範囲変更許可申請取り扱う廃棄物の種類(品目)を追加する事前(許可取得後に着手)
変更届出車両・役員・住所など許可内容の変更を届け出る事後(変更から10日または30日以内)

事業範囲変更許可申請(品目追加)

sanpai-henko-3

変更許可が必要なケースとその申請手順を整理します。

変更許可が必要なケース

廃棄物処理法第14条の2第1項(特別管理産廃は第14条の5第1項)に基づき、以下の変更を行う場合は事前に変更許可申請が必要です。

  • 取り扱う産業廃棄物の種類を追加する場合(例:廃油・廃酸を新たに追加)
  • 許可証に「石綿含有産業廃棄物・水銀使用製品産業廃棄物・水銀含有ばいじん等を除く」と記載されており、「含む」に変更する場合
  • 積替え・保管施設を新設する場合
関連記事
産業廃棄物と一般廃棄物の違い|製造業が迷う廃棄物の種類判定
産業廃棄物と一般廃棄物の違い|製造業が迷う廃棄物の種類判定

特別管理産廃(廃油・廃酸・廃アルカリなど)を新たに追加する場合は、産業廃棄物収集運搬業の変更許可ではなく、特別管理産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請が別途必要です。

関連記事
特管産廃の収集運搬業許可|通常産廃との違い・申請要件の比較
特管産廃の収集運搬業許可|通常産廃との違い・申請要件の比較

申請に必要な書類

令和8年4月版・大阪府産廃収集運搬業許可申請手引きに基づく主な必要書類は以下のとおりです。

申請書類

  • 産業廃棄物収集運搬業許可申請書(第1面〜第3面)
  • 事業計画の概要(様式第六号の二 第1面・第2面・第4面〜第7面)

添付書類(法人の場合)

  • 定款・登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
  • 役員全員の住民票・誓約書・登記されていないことの証明書
  • 貸借対照表・損益計算書(直近3期分)
  • 講習会修了証(JWセンター主催・有効期限内のもの)

車両関係

  • 運搬施設の概要(様式第六号の二 第2面):継続使用車両を含む全車両を記載
  • 運搬車両の写真(様式第六号の二 第6面):継続使用車両の写真は省略可
  • 自動車検査証の写し:継続使用車両の車検証は省略可

継続使用車両の一部書類が省略できる点は、新規申請との重要な違いです。

申請先・手数料・審査期間

申請先は新規申請と同じルールに従います。運搬範囲が一の政令市等区域を越える場合は大阪府知事、政令市等区域内のみで完結する場合は当該政令市長等が申請先です。

関連記事
産廃収集運搬業|許可申請の手順と注意点
産廃収集運搬業|許可申請の手順と注意点

手数料は産廃が71,000円、特別管理産廃が72,000円です(新規81,000円、更新73,000円より低額)。提出部数は正本1部・副本1部の計2部です。

審査標準期間は60日です。品目追加の運搬を開始できるのは変更許可証の交付後です。

更新申請と同時に行う場合

更新許可申請と変更許可申請を同時に提出する場合、重複する書類を省略できます。「重複書類省略の申立書」を省略した申請に1枚添付することで対応します。更新直前に品目追加を検討している場合、同時申請でコストと手間を削減できます。

変更届出(車両・役員・住所の変更)

sanpai-henko-5

許可内容に変動が生じた場合、事後的に届け出が必要です。期限は2種類あります。

10日以内に届け出が必要なケース

sanpai-henko-6

廃棄物処理法第14条の2第3項に基づき、変更の日から10日以内に届け出が必要な事項は以下のとおりです。

  • 事業の一部廃止
  • 氏名または名称の変更(法人の代表者変更を含む)
  • 使用人(廃棄物処理法施行令第6条の10に規定する者)の変更
  • 住所・事務所・事業場・駐車場の所在地の変更
  • 運搬車両の増車・減車・変更
  • 5%以上の株主または出資者の変更(登記事項証明書の添付が不要なため10日以内)

車両変更は届出が必要な頻度が特に高い事項です。届出には新しい車両の車検証と写真が必要なため、車両取得後(変更日から10日以内)に速やかに届け出を行い、届出が完了した車両のみ運搬に使用できます。増車した車両に産業廃棄物収集運搬車の表示がない状態での運搬も別途違反となります。

30日以内に届け出が必要なケース

法人の役員の変更は、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の添付が必要なため、変更の日から30日以内に届け出が必要です(廃棄物処理法第14条の2第3項)。5%以上の株主・出資者の変更は商業登記の記載対象外のため登記事項証明書が不要で、10日以内の届出となります。

ただし、法務局での登記完了まで時間がかかるため、実務上は登記完了後に遅滞なく提出することになります。役員変更を検討している場合は、登記手続きと届出のスケジュールを事前に確認してください。

なお、新しい役員が廃棄物処理法第14条第5項の欠格要件(禁固刑以上の刑を受け執行終了から5年未満など)に該当する場合、許可が取り消されることがあります。役員変更時は欠格要件の確認が必須です。

変更届出の必要書類

変更内容によって添付書類が異なります。

変更内容主な添付書類
氏名・名称(商号)変更定款(商号が変わる場合)・住民票または登記事項証明書
役員変更登記事項証明書・変更後の役員全員の住民票・誓約書・登記されていないことの証明書
株主・出資者の変更住民票(本籍地記載)・登記されていないことの証明書(株主が法人の場合はその法人の履歴事項全部証明書を追加)
住所・事業場所在地変更事務所・事業場・駐車場付近の見取図
車両変更(増車・減車)運搬施設の概要(全車両記載)・運搬車両の写真・自動車検査証の写し

提出部数は正本1部・副本1部の計2部です。大阪府への変更届は郵送または電子(行政オンラインシステム)でも受付可能です。

よくある質問

Q. 廃油を新たに収集運搬したい。変更許可と変更届のどちらが必要ですか?

A. 廃油が引火点70℃未満(特別管理産廃)の場合、特別管理産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請が必要です。引火点70℃以上の廃油(通常の産廃)を新たに追加する場合は事業範囲変更許可申請が必要です。廃油のSDS(安全データシート)で引火点を確認することが判断の起点になります。

Q. 車両を1台増やすだけですが、何か手続きが必要ですか?

A. はい。増車は変更届出の対象です。車両取得後に変更届を提出し、届出が完了した車両でなければ産廃の収集運搬に使用できません。届出が完了していない車両で運搬すると、変更届出義務違反として罰則や行政処分の対象となることがあります。

Q. 変更許可申請の審査中も、既許可の品目は収集運搬できますか?

A. できます。変更許可申請中も既存の許可内容の範囲での営業は継続できます。審査が完了して変更許可証が交付された後、新たな品目の運搬が可能になります。

当事務所の強み:産廃変更手続きのサポート

  • 変更許可(品目追加)・変更届出(車両・役員・住所)のいずれにも対応します。更新申請との同時提出によるコスト削減も提案できます。
  • 廃油・廃酸・廃アルカリの引火点・pHによる特別管理産廃の該非判定は、元化学メーカー研究員としての知見を活かして対応します。SDSを読み解いた上で申請書類を作成します。
  • 大阪府・大阪市・各政令市への変更届出に対応しています。複数自治体に同一内容の変更届が必要な場合も、まとめて進められます。

増車・役員交代・品目追加を検討している段階でご連絡ください。

高橋 光のイメージ
行政書士
高橋 光
技術がわかる理系の行政書士。化粧品・産廃・危険物などの許認可から、化審法・安衛法など化学物質規制対応、設備投資の補助金までワンストップ支援。
PAGE TOP