銀行・証券口座の相続手続き|口座凍結から解約・名義変更までの流れ

銀行・証券口座の相続手続き|口座凍結から解約・名義変更までの流れ

家族が亡くなったあとの銀行や証券会社での手続きは、金融機関ごとに必要書類が微妙に異なり、複数の口座があると何度も同じ書類を集め直す羽目になることもあります。

この記事では、口座凍結の仕組みから解約・名義変更までの流れ、必要書類、よくある落とし穴を解説します。

目次閉じる開く
3営業日以内を目安に
折り返しご連絡いたします

口座凍結の仕組み

口座名義人が亡くなると、遺産分割が終わるまでの間、相続人が単独では相続預金の払戻しを受けられないことがあります(全国銀行協会「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」)。これがいわゆる口座凍結です。

全国銀行協会は、口座名義人が亡くなったときは取引金融機関に連絡するよう案内しており、連絡を受けた金融機関から手続きの案内があります。

凍結前にキャッシュカードで預金を引き出すと、後で相続人の間の争いの種になります。遺産分割の前に相続人の一人が預金を引き出した場合、他の相続人全員が同意すれば、引き出した分も遺産として残っているものとみなして分割できます(民法第906条の2)。引き出した本人の同意は要りません。葬儀費用などが必要なときは、後述の払戻し制度を使うのが原則です。

凍結前に確認すべきこと

口座が凍結される前に確認・対応が必要な事項です。

公共料金・サブスクの自動引落し:口座凍結後は自動引落しが止まります。電気・ガス・水道・通信費などの支払先を変更するか、他の支払方法に切り替えが必要です。

給与・年金の振込口座:年金は、亡くなった後に振り込まれた分のうち受け取る権利のない分を返還することになります。一方、亡くなった月までの分で受け取っていないもの(未支給年金)は、一定の遺族が請求できます。死亡の届出とあわせて、年金事務所で確認してください。

口座解約・払戻しの手順

金融機関ごとに細部は異なりますが、基本的な流れは次の3ステップです。

ステップ1:死亡の連絡と残高確認

各金融機関に被相続人の死亡を連絡し、口座残高の確認と必要書類の案内を求めます。金融機関によって書式が異なるため、まずは窓口またはコールセンターに問い合わせます。

残高証明書の発行を同時に依頼しておくと、その後の遺産分割協議書の作成に役立ちます。

ステップ2:必要書類の収集

金融機関が一般的に求める書類は次のとおりです。金融機関・支店によって多少異なります。

遺言書がある場合(公正証書遺言)

  • 公正証書遺言書の正本または謄本
  • 被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)
  • 相続人の戸籍謄本・印鑑証明書
  • 通帳・キャッシュカード

遺言書がない場合(遺産分割協議書)

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(連続したもの)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人全員署名・実印押印)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 通帳・キャッシュカード
  • 金融機関所定の相続手続依頼書

戸籍を複数の金融機関に同時提出するには、法定相続情報一覧図(法務局発行)が便利です。コピーではなく一覧図の写し(認証文付き)が各金融機関で使えます。

関連記事
相続手続きを効率化!法定相続情報証明制度のメリットと利用手順
相続手続きを効率化!法定相続情報証明制度のメリットと利用手順

ステップ3:窓口での手続き

書類が揃ったら、各金融機関の窓口(郵送に対応する金融機関もあります)で手続きを行います。手続きにかかる期間は金融機関によって異なるため、提出の際に目安を確認しておくと安心です。複数の口座がある場合は同時並行で進めると時間を短縮できます。

払戻し・送金先口座は、相続人名義の口座を指定します。

遺産分割前払戻し制度

遺産分割協議が長引く場合でも、葬儀費用や当面の生活費として一定額を引き出せる遺産分割前の払戻し制度があります(民法第909条の2)。

​払い戻せる上限

各相続人は、預貯金ごとに相続開始時の残高×3分の1×その相続人の法定相続分まで、単独で払戻しを受けられます。ただし同じ金融機関から受けられるのは、法務省令で定める150万円までです。

手続きには、本人確認書類のほか、おおむね被相続人の出生から死亡までの戸籍・相続人全員の戸籍・払戻しを受ける相続人の印鑑証明書が必要です(全国銀行協会の案内。金融機関によって異なる場合があります)。遺産分割協議書や他の相続人の同意は要らないため、葬儀費用など急ぎの支払いに使えます。

払い戻した分は、その相続人が遺産の一部の分割によって取得したものとみなされます。最終的な遺産分割では、受け取った額を差し引いて計算します。

証券口座の相続手続き

株式・投資信託等の有価証券を相続する場合、相続人が証券口座を開設してから移管手続きを行います。

手順の概要

  1. 証券会社に死亡の連絡
  2. 相続人が同社に口座を開設(未開設の場合)
  3. 必要書類(戸籍・遺産分割協議書・印鑑証明等)を提出
  4. 被相続人の口座から相続人の口座へ移管

有価証券は現金化(売却)するか、そのまま相続するかを遺産分割協議の中で決めます。相続した株式を売却した場合は、確定申告が必要になる場合があります。税金の扱いは税理士にご確認ください。

複数の金融機関がある場合の効率化

被相続人が複数の銀行・証券会社に口座を持っていた場合、それぞれで同様の手続きが必要です。戸籍の束を何度もコピーして提出する手間を省くため、法定相続情報一覧図の活用が有効です。

どの金融機関に口座があったか分からない場合は、次のような手がかりから探します。

​口座の手がかりの探し方
  • 通帳・キャッシュカード・郵便物(取引明細・満期のお知らせなど)の確認
  • スマートフォンやパソコンのネットバンキング・証券アプリの確認
  • 被相続人の確定申告書(利子・配当の記載から口座を特定)
  • 心当たりの金融機関への残高証明書の請求

株式などの上場証券は、証券保管振替機構(ほふり)に開示請求をすると、被相続人が口座を開いていた証券会社等が分かります。

よくある質問

遺産分割協議が長引いて6ヶ月以上かかりそうです。口座はいつまで凍結されますか?

遺産分割が終わるまでは、相続人が単独で払戻しを受けられない状態が続くことがあります(遺言がある場合は手続きが異なります)。当面の支払いは前述の払戻し制度で対応できます。話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所の遺産分割調停が選択肢になり、その段階は弁護士へのご相談をおすすめします。協議がまとまれば、協議書の作成は当事務所でお手伝いできます。

被相続人名義の口座に死亡後も振込があった場合はどうなりますか?

亡くなった後に支払われた未払いの給与などは、一般に遺産として相続人が分けます。年金は扱いが異なり、受け取る権利のない分は返還が必要です。亡くなった月までの未支給年金は遺産ではなく、一定の遺族が自分の権利として請求するものです。

故人の口座に入っていたお金は全額相続できますか?

相続財産として遺産分割の対象になります。遺産分割協議の結果に基づき、取得した相続人が払戻しを受けます。ただし、口座を単独で相続することになっても、他の相続人への代償金支払いが必要なケースがあります。

関連記事
遺産分割協議書の作成方法|相続人全員の合意を法的に有効な書面に残す手順
遺産分割協議書の作成方法|相続人全員の合意を法的に有効な書面に残す手順

当事務所の強み:複数金融機関の手続きを一括代行

銀行・証券口座の相続手続きは、当事務所が戸籍の収集から各金融機関での解約・名義変更までお引き受けします。

銀行・証券会社での相続手続きは、複数窓口を何度も往復する手間と時間がかかります。戸籍収集・法定相続情報一覧図の作成・各金融機関への書類提出を一括で代行し、相続人の負担を軽減します。

  • 戸籍収集・法定相続情報一覧図の写しの交付の申出
  • 遺産分割協議書の作成
  • 複数の銀行・証券会社への手続き代行

報酬の目安とご依頼の流れは、次のページにまとめています。

関連記事
遺言書の作成支援・相続手続き
遺言書の作成支援・相続手続き

口座数の把握から各金融機関の手続き完了まで、すべてお任せください。

3営業日以内を目安に
折り返しご連絡いたします
PAGE TOP