相続手続きを効率化!法定相続情報証明制度のメリットと利用手順
※本記事は執筆当時の情報に基づきます。法改正等により現在の内容と異なる場合がありますので、実際の運用にあたっては必ず最新の法令をご確認ください。
銀行の口座解約、不動産の名義変更、年金の手続きなどの相続手続きでは、行く先々の窓口で「亡くなった方の出生から死亡までの分厚い戸籍の束」を何度も提出しては返却を待つ、という途方もない時間と手間がかかってしまいます。
この負担を軽くするために法務省が創設したのが、「法定相続情報証明制度」です。手数料無料で利用できる便利な制度なので、ぜひ活用していきましょう。
本記事では、相続手続きをスムーズにする本制度の概要とメリット、手続きの流れについて解説します。
法定相続情報証明制度とは?
本制度は、全国の役所から集めた「戸籍の束」と、相続関係を図式化した「法定相続情報一覧図」を法務局(登記所)に提出することで、登記官が内容を証明した「認証文付きの一覧図の写し(専用の偽造防止用紙)」を無料で交付してくれる制度です。

手続きは法務局(登記所)で行いますが、相続財産が銀行預金のみ(不動産なし)のケースでも全く問題なく利用できます。
この制度を利用すると、以下のようなメリットがあります。
- 分厚い戸籍書類の束の提出が不要に
- 交付されたペラ1枚の「一覧図の写し」が戸籍の束の代わりとなるため、銀行預金の払戻し、不動産の相続登記、相続税申告など、あらゆる窓口でスムーズに手続きが完了します。
- 複数の窓口手続きを同時並行で進められる
- 「一覧図の写し」は、必要な枚数分だけ無料で複数枚発行してもらえます。原本の返却を待たずに各銀行へ同時に提出できるため、手続きにかかる期間が大幅に短縮されます。
- 不動産登記では「添付の省略」も可能に
- 不動産の相続登記等の申請時には、申請書に「法定相続情報番号」を記載することで、一覧図の写しの添付そのものを省略することも可能です。
一方、デメリットとしては、必要書類を取り寄せて法定相続情報一覧図を作成する手間と、受け取るまでに1~2週間かかることが挙げられます。解約すべき口座が少ない場合などは、戸籍の束を直接提出した方がむしろ手間が少なく済む可能性もあります。
法定相続情報証明制度 利用手順
制度の利用手順は以下の3ステップです。
- 必要書類(戸籍等)の収集
- 法定相続情報一覧図の作成
- 管轄の法務局へ申出(提出)
「戸籍の束を持っていけば、法務局がきれいな一覧図を作ってくれる」と思われがちですが、実際にはそうではありません。
法定相続情報一覧図は、申出人が戸籍等の内容をもとに作成して提出し、法務局で確認を受ける必要があります。法務局は一覧図を新たに作成するのではなく、確認後にその写しを交付する仕組みです。
一覧図の記載内容が戸籍と一致していないと補正を求められることがあり、正確さが求められます。
申出に必要な書類一覧
手続きには、必ず用意する書類と、状況に応じて追加する書類があります(戸籍等の取得には実費がかかります)。
- 必ず用意する書類
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸除籍謄本
- 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)
- 相続人全員の現在の戸籍謄抄本
- 申出人の本人確認書類のコピー(「原本と相違ない」旨を記名)
- 法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書
- 作成済みの法定相続情報一覧図
- 状況に応じて必要な書類
- 委任状および代理人の身分証明書(※専門家等に依頼する場合)
- 被相続人の親等に係る戸除籍謄本等(※兄弟姉妹が相続人の場合など)
- 各相続人の住民票記載事項証明書(※一覧図に住所を記載する場合)
法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載するかどうかは任意です。実務においては一覧図を何の手続きに使いたいかによって、記載すべきかどうか判断します。
不動産の相続登記(名義変更)が複数ある場合、 不動産を相続して新しい名義人になる人の住民票が必須です。もし一覧図にその人の住所が記載されていれば、この一覧図が住民票の代わりになるため、別途で住民票を提出する手間と実費を省くことができます。
一方、相続財産に不動産がなく、銀行の解約だけが目的の場合は、一覧図に住所を記載しない方が、相続人の住民票を集める手間を省くことができます。
当事務所の強みと専門的サポート
戸籍等の膨大な必要書類の収集から、正確な一覧図の作成、法務局への申出まで、すべてを自分で行うのは大変な労力です。本制度では、行政書士などの資格者代理人(全8士業)に手続きを委任することが認められています。
「平日、何度も役所や法務局に行く時間がない」「全国に散らばる戸籍の集め方が分からない」「パソコンで指定された図面を作るのが苦手だ」という方は、ぜひ当事務所にお任せください。
そもそも本制度を利用すべきか否かの判断から、金融機関の解約・名義変更まで、一貫して手続きを代行するとともに、お金の専門家であるFPとしての知見を活かし、残されたご家族の今後の生活を見据えた最適な遺産分割や、株式・保険など金融資産の取り扱いについてのアドバイスもご提供いたします。
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