第一種フロン類充塡回収業|登録手続と登録後の義務を解説
※本記事は執筆当時の情報に基づきます。法改正等により現在の内容と異なる場合がありますので、実際の運用にあたっては必ず最新の法令をご確認ください。
古い機器を解体・廃棄する際、機器本体(スクラップ等)をゴミとして運ぶための「産業廃棄物収集運搬業許可」に加えて、廃棄前に機器から冷媒ガスを抜くための「第一種フロン類充塡回収業」の登録が必要となります。
対象機器からフロン類を回収するためには、業務を行う都道府県ごとにこの登録が必須となります。無登録での業務やみだりな放出には厳しい罰則が科されるため、産廃許可と合わせたコンプライアンスの遵守は急務です。
本記事では、フロン排出抑制法の概要から、具体的な登録申請の要件・手順、そして実務で最も負担となる登録後の義務について解説します。
フロン排出抑制法の概要
フロン排出抑制法は、オゾン層の保護と地球温暖化の防止を目的に、フロン類の大気中への排出を抑制するための法律です。かつては機器廃棄時のフロン回収が中心でしたが、現在はフロン類の製造から使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体にわたる包括的な対策(フロン類の使用の合理化および管理の適正化)を定めています。 対象となるフロン類はCFC、HCFC、HFCで、これらを冷媒とする業務用エアコンや冷蔵冷凍機器(第一種特定製品)などが主な規制対象となります。
全ての事業者に共通のルールとして、事故などのやむを得ない場合を除き、機器に充塡されているフロン類を故意または重過失により大気中に放出することは禁止されています。これに違反すると罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)の対象となります。
また、事業者の立場(役割)によっても、守るべきルールが細かく定められています。
フロン排出抑制法の全体像
事業者のうち、第一種フロン類充塡回収業(フロン類の充塡・回収を行う業者)は、都道府県知事の「登録」が必要です。
第一種フロン類再生業(不純物の除去や成分の調整など)と、フロン類破壊業(特定製品に冷媒として充塡されているフロン類の破壊)を行う場合は、経済産業大臣及び環境大臣の許可を受けなければならないこととなっています。
第一種フロン類充填回収業の登録手続
第一種フロン類充填回収業を行おうとする者は、業務を行う区域を管轄する都道府県知事の登録を受ける必要があります。
登録の有効期間は5年間であり、引き続き業務を行う場合は、期間満了前に更新の申請を行う必要があります。
登録申請に必要な書類や一般的な手順は以下の通りです。
必要な書類
主に以下の書類を準備して提出します。なお、自治体によって指定のフォーマットや追加書類が必要な場合がありますので、事前に各都道府県の窓口やウェブサイトで確認してください。
- 第一種フロン類充填回収業者登録申請書(様式第1)
- 本人を確認できる書類
- 法人の場合:登記事項証明書(発行日から3ヶ月以内のもの)。※自治体(例:大阪府)によっては、登記情報連携システムの利用により提出不要となる場合もあります。
- 個人の場合:住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの、発行日から3ヶ月以内)。
- フロン類回収設備の所有権等を有することを証する書類
- 自ら所有している場合:購入契約書、納品書、領収書、販売証明書などの写し。
- 所有していない場合(借りている場合など):借用契約書、共同使用規定書、管理要領書などの写し。
- ※書類が用意できない場合、申立書とフロン回収機の実機写真(カタログは不可)で代用できる自治体もあります。
- フロン類回収設備の種類及び能力を説明する書類
- 回収機の取扱説明書、仕様書、カタログなどの写し。
- 欠格要件に該当しないことを説明する書類(誓約書)
- 申請者(法人の場合はその役員も含む)が、法で定められた欠格要件(破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、法律に違反して罰金以上の刑に処せられ2年を経過しない者など)に該当しないことを誓約する書面。
- その他の書類(自治体により求められる場合)
- フロン類の充填・回収に関して「十分な知見を有する者」の資格等に関する調査票(大阪府の例など)。
- 行政書士が代理申請を行う場合の委任状。
申請の手順
- 申請書類の提出
- 業務を行う区域の都道府県窓口へ書類を提出します。
- 申請方法は自治体によって異なり、インターネット申請、窓口への持参、郵送などの方法があります(例えば大阪府では、原則としてインターネット申請が推奨されています)。
- 登録申請手数料の納付
- 申請には審査のための手数料が必要です(大阪府の例では新規登録で6,000円)。
- 納付方法はクレジットカード決済や、窓口での現金・キャッシュレス決済など、自治体の規定に従って行います。
- 審査と登録・通知
- 都道府県知事によって申請内容が審査されます。
- 回収設備が基準(回収しようとするフロン類の種類に対応しているか、十分な回収能力があるか等)に適合しており、欠格要件に該当しなければ、「第一種フロン類充填回収業者登録簿」に登録されます。
- 登録後、遅滞なく登録通知書が申請者に交付されます。
第一種フロン類充填回収業の登録後の義務
- フロン類のみだりな放出の禁止(すべての者共通): 特定製品に冷媒として充塡されているフロン類を、みだりに大気中に放出してはなりません。
- 充塡・回収・運搬に関する基準の遵守: 第一種特定製品へのフロン類の充塡、機器からのフロン類の回収、およびフロン類の運搬を行う際は、主務省令で定めるそれぞれの基準(充塡基準、回収基準、運搬基準)に従わなければなりません。
- フロン類の引取義務: 第一種特定製品整備者や第一種特定製品廃棄等実施者(または引渡受託者経由)から、回収したフロン類の引取りを求められた場合、正当な理由がある場合等を除き、当該フロン類を引き取らなければなりません。
- フロン類の引渡義務: 引き取ったフロン類や回収したフロン類は、自ら一定の要件を満たして再生する場合などを除き、第一種フロン類再生業者またはフロン類破壊業者に対して確実に引き渡す義務があります。
- 各種証明書の交付・回付および保存
- 充塡証明書・回収証明書: 機器の整備時にフロン類の充塡や回収を行った場合、整備を発注した管理者に「充塡証明書」や「回収証明書」を交付しなければなりません(情報処理センターへ電子的に登録した場合を除きます)。
- 引取証明書: 機器の廃棄時にフロン類を引き取った場合は、廃棄等実施者に「引取証明書」を交付(引渡受託者が介在する場合は送付)し、その写しを交付日から3年間保存しなければなりません。
- 再生証明書・破壊証明書: 再生業者や破壊業者から送付された「再生証明書」や「破壊証明書」を、整備者や廃棄等実施者に回付し、その写しを3年間保存する義務があります。
- 記録の作成・保存と閲覧への対応: フロン類の種類ごとに、充塡した量、回収した量、再生・破壊業者へ引き渡した量などに関する記録を作成し、業務を行う事業所に5年間保存しなければなりません。また、整備発注者(管理者)や整備者、廃棄等実施者などからこれら記録の閲覧申出があった場合は、正当な理由がない限り応じる義務があります。
- 都道府県知事への毎年度の報告: 毎年度終了後(45日以内)、前年度に充塡・回収した量や、再生・破壊業者へ引き渡した量などをフロン類の種類ごとにまとめ、登録を受けた都道府県知事に報告しなければなりません。
- 登録事項の変更・廃業等の届出: 氏名や事業所の名称、回収対象のフロン類の種類など登録事項に変更(軽微なものを除く)があった場合や、第一種フロン類充塡回収業を廃止(廃業)した場合は、その日から30日以内に都道府県知事へ届け出る必要があります。
- 費用負担(料金)に関する説明: 整備者や廃棄等実施者から、フロン類の回収、運搬、破壊・再生に必要となる費用の料金について説明を求められたときは、その料金の明細等について適正に説明しなければなりません。
当事務所の強みと専門的サポート
業務用エアコンや冷凍冷蔵機器の廃棄・解体工事においては、「機器からのフロン回収」と「空になった機器本体(スクラップ等)の運搬」の行程が発生します。
空調設備業者様や解体業者様が適法に業務を拡大するには、「産業廃棄物収集運搬業許可」に加えて、「第一種フロン類充填回収業」の登録が必要です。

当事務所では、これら実務で直面する許認可の壁を、以下の強みでトータルサポートいたします。
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