【2026年行政書士法改正対応】化審法・安衛法の届出を「無資格コンサル」に外注するリスクと対策
※本記事は執筆当時の情報に基づきます。法改正等により現在の内容と異なる場合がありますので、実際の運用にあたっては必ず最新の法令をご確認ください。
新規化学物質の製造や輸入において避けては通れない「化審法」および「安衛法」の届出・申出。専門的な化学知識が求められるため、自社での対応が難しく、外部の「化学系コンサルティング会社」へ手続きのアウトソーシング(外注)を依頼している、あるいは検討している企業も多いのではないでしょうか。
しかし、行政書士資格を持たないコンサルティング会社に、官公署へ提出する書類の作成を依頼することは、行政書士法違反となるリスクを孕んでいます。
本記事では、2026年(令和8年)の行政書士法改正によって厳格化された外注リスクと、事業者およびコンサルティング会社がとるべき適法かつ合理的な解決策について解説します。
【2026年施行】改正行政書士法による「非行政書士行為」の明確化

行政書士法では、行政機関へ提出する許認可・届出書類を、報酬を得て業として作成できるのは、行政書士(または弁護士など一部の法定資格者)のみと法律で定められています。
しかしながら、コロナ禍以降、補助金申請業務や入管業務などを中心に、「書類作成は無料(サービス)とし、あくまでコンサルティング料として報酬を受け取る」というグレーな手法で、無資格のコンサルティング会社が実質的に書類作成を代行するケースが横行していました。
そこで、2026年(令和8年)1月1日に施行された改正行政書士法(第19条)では、「いかなる名目によるかを問わず」報酬を得て書類を作成する行為が禁止対象として明文化されました。
つまり、「コンサルティング料」「サポート料」「システム利用料」といった名目であっても、無資格者が届出書類を作成し、対価を受け取ることは明確な違法行為(非行政書士行為)となります。
- 第十九条(業務の制限)
- 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。
- 第一条の二(業務)
- 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。
※但書、括弧書は省略
- 第十九条(業務の制限)
- 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。
- 第一条の三(業務)
- 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。
※但書、括弧書は省略

さらに、第23条の3の両罰規定には、行政書士又は行政書士法人でない者による法第19条第1項の業務の制限違反に対する罰則が加えられ、違反行為者が罰せられることはもとより、その者が所属する法人に対しても百万円以下の罰金刑が科せられることとされました。
以上を踏まえてか、経済産業省からは、化審法に係る届出について「無資格者による書類作成は行政書士法違反になる」との注意喚起がなされています。
化審法に係る各種届出等について
行政書士又は行政書士法人でない者が、業として他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類の作成を行うことは、法律に別段の定めがある場合を除き、行政書士法違反となりますので、ご注意ください。
化審法に係る各種届出等について(METI/経済産業省)
行政書士又は行政書士法人でないコンサル会社が、報酬を得て化審法の届出書を作成したり、電子申請を含めて実質的に申請手続を代行する場合には、行政書士法第19条違反に該当するリスクが高いことが、今回の改正により明確になりました。
一方で、技術的な分析・試験や、安全性評価に関する助言にとどまり、届出書の作成や提出は事業者本人が行う形であれば、直ちに行政書士法違反となるものではなく、業務内容ごとの線引きが重要になります。
なお、工場への新設備導入時などに必要な水質汚濁防止法、大気汚染防止法、消防法、高圧ガス保安法などの届出についても、施工会社やコンサルティング会社による無資格代行のリスクが同様に存在します。

代行を依頼する事業者が負うリスク

行政書士法改正により、化審法や安衛法の届出実務を依頼する事業者様には、以下のリスクが生じる可能性があります。
コンプライアンス違反・レピュテーションリスク
法改正を知らなかったでは済まされません。違法な業務を行っている業者へ継続して依頼することは、企業としてのコンプライアンス体制(法令遵守)が問われる事態になります。上場企業や、取引先から厳しい監査を受ける企業にとっては、大きな経営リスクとなります。
結局「自社で書類作成」をする羽目になる(実務の丸投げ不可)

コンプライアンスを意識したコンサル会社は、法改正を受けて「当社は助言のみ行い、実際の書類作成や申請はお客様ご自身で行っていただきます」というスタンスを徹底せざるを得なくなる可能性があります。その結果、企業側は高いコンサルティング料を払ったにもかかわらず、手間のかかる書類作成と、役所との細かなやり取りは自社の担当者が抱え込むことになり、業務負担の軽減が果たせなくなります。
化学系コンサルティング会社の皆様へ:行政書士との「提携」のすすめ
高度な技術に基づく分析や、安全性試験など化学系コンサルティング会社様が提供する技術的サービスの価値は非常に高いものです。しかし、前述の通り「日本国内の官公署への書類提出」という最終工程においては、法的な壁(行政書士法)が立ちはだかります。
化学系コンサルティング会社様には、行政書士との業務提携を強くお勧めいたします。
これにより、コンサルティング会社様はクライアントに対して、「分析、試験から申請の丸投げまでフルサポート可能です」と、サービスの付加価値を最大化して提案することが可能になります。
当事務所の強み:元化学研究者による専門的支援
行政書士法の改正により、報酬を得て官公署に提出する届出書そのものを作成したり、申請手続を実質的に代行する行為を無資格のコンサルティング会社が行ってはならないことが、条文上、明確に整理されました。
しかしながら、申請書類の作成に必要となる化学物質についての高度な知識を持ち合わせた行政書士は極めて少ないのが実情です。

当事務所は、元化学研究者として化学物質に関する各種届出の実務経験を有することを強みとしており、貴社と行政との架け橋となります。
- 化学反応式、製造フロー図、SDSを「共通言語」としてそのまま理解できます。お客様やコンサルタント様が「法律家向けに専門用語を噛み砕く」という無駄な労力は不要です。
- 「技術的根拠」と「法的解釈」の両面をシームレスに結びつけ、スピーディーかつ精度の高い書類を作成します。
- 行政書士法に基づく厳格な守秘義務(第12条)により、未発表の新規化学物質や、御社のコア技術・ノウハウ等の機密情報を安全に保護します。

「現在依頼しているコンサル会社が書類を作ってくれなくなった」「自社で新規化学物質の届出をするためのリソースが足りない」「クライアントへのワンストップサービス提供のために、化学に強い行政書士と提携したい」
このようなお悩み・ご要望がございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。コンプライアンスを遵守し、貴社の事業スピードを加速させる最適なサポートを提供いたします。
